【No.652】いじめとひきこもりの人類史 正高信男 新潮社(2020/10) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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いじめは、我々人類の先祖が狩猟生活から定住生活となった頃から始まっています。

動物園などエサで飼いならされた猿の集団内において、いじめがあることが実験で証明していました。

吉田兼好や鴨長明など著名な歴史上の人物が隠遁生活でひきこもりだったというエピソードも取り上げられています。

いじめが生まれて、それがひとつの原因としてひきこもりへと発展するのだという主張がありました。

いじめやひきこもりはどうして世の中に誕生したのかという歴史から学問的に説明したものでした。

 

ポストコロナの時代には、新しい生活様式が推奨されています。

それはいたってシンプルです。

3密(密閉、密集、密接)を避けてできるだけ他人とつきあわないで家にいて清潔を保つことです。

時代が進んでも過去の疫病対策とあまり変わらないというのは冷静に考えると滑稽です。

例えば、宅配などで買い物を頼めるし好きな物がネットで買えます。またZOOMなどのソフトを使ってパソコンの遠隔で直接会わなくても一度に多くの人と会えて相手の顔を見て話すこともできます。

こんな新しい生活が普通となってきたのは、彼らにとって生きやすく行動しやすい機会が訪れたと著者は考えているのです。

 

コロナ禍以前からひきこもり状態であった人たちが少なからずいたということから、従来陽の当たらなかった人たちにスポットがあてられるチャンスがきたのだと思います。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 遊動から定住へ―共同体の誕生

第2章 共有から占有へ―いじめの誕生

第3章 オーナーから家畜へ―ヴァルクの誕生

第4章 異人から職人へ―バンディットの誕生

第5章 漂泊から隠棲へ―ひきこもりの誕生

最終章 定型から多様性へ―社交不安障害の誕生

おわりに 

 

1954(昭和29)年大阪府生まれ。霊長類学・発達心理学者、評論家。大阪大学人間科学部行動学専攻卒、同大学院人間科学研究科博士課程修了。京都大学霊長類研究所教授を2020年に退職。。著書に「ケータイを持ったサル」など著書多数