【No.651】ブラックウェルに憧れて 南 杏子 光文社(2020/07) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

世界で初めて医師として認められた女性、エリザベス・ブラックウェルの言葉。

「もし社会が女性の自由な成長を認めないのなら、社会の方が変わるべきなのです」

 

過去に実際に起こった大学医学部不正入試を真っ向からクローズアップしています。

合格点を取っていても不当に差別して女性を不合格として男性を合格させた事実を認めた大学がありました。

初めて女性医師として認められたエリザベス・ブラックウェルに憧れて医師を目指した、長谷川仁美、坂東早紀、椎名涼子、安蘭恵子の4人の女性と医学部初の女性教授、城之内泰子がそれぞれの章を形作っています。

 

男女雇用機会均等が当たり前でなかった時代と比べると滑稽なのですが、女性ということだけで男性より劣っていると思われて、結婚や生理、妊娠、出産、育児、介護などを理由に社会進出を阻まれてきました。

これは医療界だけではなく、日本の社会全体で蔓延っていた問題だったのではないかと。

男尊女卑のような未開の地を近道もなくあらたに開拓してきた女性たちの苦労が偲ばれます。

その当時は声をあげられるほど強くはなかった、辛く哀しく寂しい気持ちでいた女性たちの涙と希望を代弁して送り出されてきたドラマでないのかと思います。

 

 <目次>

プロローグ 求められた証言

第一章 四人の再会

第二章 アイ・スペシャリスト―仁美

第三章 フリーランス―早紀

第四章 エスコート・ドクター―涼子

第五章 NICUチーフ―恵子

第六章 解剖学教室教授―城之内泰子

エピローグ それぞれの宙返り

ブラックウェルにまつわる言葉に添えて

 

1961年徳島県生まれ。日本女子大学卒。出版社勤務を経て、東海大学医学部に学士編入し、卒業後、都内大学病院老年内科や終末期医療専門病院で勤務する。2016年『サイレント・ブレス』でデビュー