少年犯罪や罪と罰について問いかけ続ける著者が、贖罪のあり方を問うている長編でした。
飲酒運転で老女をひき逃げした大学生で主人公の籬翔太。
轢いたのは犬か猫かと思った、信号は青だったと真実を隠しながら裁判を受け約5年の実刑に服した。
出所後、罪に苛まれながらも元に戻らないよう周りの誘惑を避けて懸命に生きる主人公に感情移入してしまう。
加害者の翔太。彼の恋人の栗山綾香。被害者の夫の法輪二三久。その息子の法輪昌輝。
それぞれの視点で、物語が進むうち不気味に加害者の翔太に迫るのが被害者の夫の二三久だ。
認知症を発症しながらも、裁判の録音を息子に頼んだり、探偵に加害者の居所を調べさせ加害者と同じアパートに住むなど、加害者を追い求める目的は何なのか。
ミステリータッチの展開でページを繰る手が止まらず一気に読み終えた。
終幕での加害者の翔太と被害者の夫の二三久との会話によって、「告解」という題名が持つ深い意味がわかった。
読後の満足感と温かな余韻が残った。
<目次>
プロローグ
第一章
第二章
第三章
エピローグ
1969年兵庫県生まれ。2005年に「天使のナイフ」で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年に『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を、2017年に短編「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞“短編部門”を受賞
