【No.579】Iの悲劇 米澤穂信 文藝春秋(2019/09) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

Iターン。南はかま市の飯子市長の肝入り。

無人となった南はかま市の蓑石に人を呼んで、集落を再生させるという大プロジェクト。

それを任された甦り課の三人。

姿勢が正しく人当たりがよいさばけた新人の観山遊香。

出世が望みの公務員らしい真面目な公務員の万願寺邦和。

とにかく定時に退社する一見やる気が薄く昼行燈のような課長、西野秀嗣

住民からの相談やクレームなどでしょっちゅう呼び出される三人。

蓑石に移住してきた住民たちの間に次々とトラブルが発生する。

この村を離れる家族が後を絶たない状況となる。

「そして誰もいなくなった」

終章「Iの喜劇」でその意味や真実がわかる。

とにかくすらすらと読みやすくて、終わりまで楽しく読むことができるのだが。

 

人が住んでいる以上、火事や病気などの緊急時対応がある。

道路や上下水道などのインフラの整備も必要となってくる。

人や物、税金は無尽蔵ではない。

過疎地に対する地方自治体のかかわり方はどうすべきなのか。

費用対効果を考慮して税金の使い道はどうすべきか。

限界集落も含めて全ての場所を等しく再生すべきなのか……等々。

少子高齢化状況も含めて、これからの我々のほろ苦い生末を考えさせられる後味が悪い話だった。

 

 <目次>

序章 Iの悲劇   

第一章 軽い雨   

第二章 浅い池   

第三章 重い本   

第四章 黒い網   

第五章 深い沼   

第六章 白い仏   

終章 Iの喜劇  

 

 

 

1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞