緑と青空、真っ白な雲。
透き通った川、目が合った魚。
小学生の夏休み。
頭の中でプワーッと出来事が駆けぬける。
ガチ友人たちと発砲スチロールを加工して子供が数人乗れる小さな船を作った。
地元の山田川でそれを浮かべて時間を忘れて乗った。
何度も行ったり来たりして向こう岸までの距離を確認した。
途中ひっくり返って全員びしょぬれになっても、参加しただれもが文句を言わなかった。
誰からか発言して作っている過程もほんとうに愉しかった。
実際に乗っている時間は少なかったけど、楽しい時間が終わるのがいまよりもずっと遅かったと思う。
五感は純粋だった。
出来事が新鮮に感じていた。
今では懐かしい思い出。
そんな思いを出させてくれるような小説だった。
人生無駄な出会いはない。
思ったことを行動に出す勇気と、
人の思いや行動が大切なことに繋がっていることと、
勉強や努力をしている理由があること。
主人公の少年たちの成長を通してそのようにしみじみと感じた。
1956年大阪市生まれ。同志社大学中退。「永遠の0」で小説家デビュー。「海賊とよばれた男」で第10回本屋大賞を受賞。ほかの著書に「逃げる力」など。
