人生に対する閉塞感の要素は、みんなが普遍的に持っているものではないだろうか。
主人公のルイが生きていく場所と環境は、まったく未知でアブノーマルなものだった。
ピアスや刺青にも、ましてやスプリットタンにも憧れも興味もない。
でもなぜか共感してしまうのは?
きっと人の間の底の部分にある欲望や願望のようなものが、身体改造やセックスを通してうまく伝えているからかもしれない。
ルイが背中に掘る刺青は龍と麒麟。
龍は、ルイの彼氏アマに掘られたもの。
麒麟は、アマの友人シバの右腕に掘られたもの。
龍がアマで、麒麟はシバ。それぞれを象徴しているのかな。
画竜点睛を欠く状態から、ついにルイはその両方に目を入れてしまう。
ルイは頼らず自立して生きていく決意を意味しているのではないかと思った。
1983年生まれ。2003年「蛇にピアス」で第二七回すばる文学賞を受賞し、デビュー。04年に第一三〇回芥川賞を受賞
