「ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です。」は名言。
見合い相手を見て自分と釣り合わないと一歩前に踏みだせないのだ。
結婚相談所の小野里さんの発言で印象に残ったことば。
「うまくいくのは、自分が欲しいものがちゃんとわかってる人です。自分の生活を今後どうしていきたいかが見えている人、ビジョンのある人」
あの人はこういう人だと決めつけて、思い込んで、自分はこうじゃないかと他人を思う。職業や生い立ち、見た目などで簡単に相手を評価し、自分に合う合わないを探している。そんな中では善良な人は生きづらい。傲慢なことに気づかない主張しつづける傲慢な人が得をする社会なのか。
閉鎖的な地方の価値観の中で安全に育った坂庭真実と
都会の中で普通に恋愛を経験し生活する西澤架。
真実が出会う都会で悪意のような女性たちと真実の母親が真美を疑うことのないその傲慢さはあるのかもしれないし、誰にもあるもので気づかないうちに表に滲み出てきているのかもしれない。
後半に行けば行くほど面白くて圧倒される展開だった。
読む終えてからこれが恋愛小説だったということがわかった。
第一部は、西澤架の視点。
第二部は、婚約者の坂庭真実の視点で話が進む。
適齢期を過ぎた男女の恋愛、婚活、嘘等々の事情に傲慢と善良な人たちが交錯する。
例えば同じ事実を別の角度で書かれてあったので、それが起こったのかが客観視でき理解しやすかった。
他作品の「青空と逃げる」の親子がなかに描かれていた。
こういうリンクがあったのはファンサービスとしてうれしい。
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞、2018年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞受賞
