最後まで飽きさせないストーリーの展開に、ぼくは見事にまでこのなかに引き込まれてしまった。
175P
「自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ。意表を衝くようなものであれば、なお申し分ない」
記事は何のために伝えるのか、
誰のために書くのか?
広く伝えられるべき役に立つ情報なのか、
単に受け手に消費されるだけの娯楽なのか!
当事者にとっての悲劇は、第三者の目に晒されたときに興味を引くための見世物になってしまっているのではないか!
ぼくは、大刀洗万智といっしょに事件の渦中にいるかように感じられた。
163P
「知は尊く、それを広く知らせることにも気高さは宿る。そう信じているからこそ、退職してからも記者として生きていこうと決めたのだ。いまこの場にいるのはわたしなのだから、わたしがやらなくてはならない」
<目次>
祈るにも早い
トーキョーロッジ202号室
レンズキャップ
路上にて
王の死 ほか
あとがき
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステー&ホラー部門)を受賞してデビュー。青春小説としての魅力と謎解きの面白さを兼ね備えた作風で注目され、『春期限定いちごタルト事件』などの作品で人気作家としての地位を確立する。11年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』は三つの年末ミステリ・ランキングで1位となり、また直木賞、本屋大賞の候補にもなるなど、2014年最大の話題作となった。
