6年間の記憶を失った刑事は、ほんとうの記憶喪失だったのかどうか!
記憶を失ってしまっているという事実から、6年前からタイムマシーンでやって来た男なのではないか!
SFのような展開がさきに予想されたのだがそれは違っていた。
最後まで読むと、この荒唐無稽にみえる展開に深い意味があったのがわかった。
事件の真相を求めて、男は女性記者とともに香港を駆けずり回る様子が映し出された。
香港の地名を知っていてその地を訪れていたなら、その情景を想像することができ楽しめるだろう。
この小説を理解するためのキーワードとして。
慢性硬膜下血種による頭痛、嘔吐、知能障害、意識障害、記憶障害やエピソード記憶、PTSD、解離、精神科医、スタントマン等々。
読み終えて思うと、犯人へ導く伏線がたくさんはられていた。
意外な人が犯人であったラストのどんでん返しに驚嘆した。
<目次>
序 章
第一章
断片一 二〇〇二年十月十二日 ほか
1975年生まれ。香港中文大学計算機学科卒。台湾推理作家協会の海外会員。「世界を売った男」で第2回島田荘司推理小説賞を受賞
