「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」
ここから始まる冒頭の部分がなんとなく軽くてよい。
始まりの文章が心地よい。
もっと中身を読みたくなります。
文章が優しくて癒やされます。
出てくる登場人物もほっこりする人物なのでさらに癒やされます。
大切な人を失った人たちの心理描写が溢れる愛を持って表現されているからその上に癒やされます。
「死」と「性」と「食」
吉本ばななさんを初めて読むならこれだと。
以前参加した読書会で友人が紹介していました。
興味を抱きました。
ずっと昔から読んでいました。
ときどき読み返していました。
人の死が多いけれど、生きている人を見ていると力が沸いてくるんだ。
よい本は魅力があって色褪せることなく廃れずに人から人に引き継がれるものなんです。
胸が苦しくなったり切なくなったり心温まるようなお話でもなんでもよいから、
ふとしたことからご縁がある本をこれからも読んでいきたい。
ここの文章が気に入りました。
「偉大な人物は ~」
88-89P
この小さな街のすべての部分に、公園に、路に、霧のようにしみとおる冬の重い冷気を支えきれない。押されて息ができない。そう思った。
偉大な人物はいるだけで光を放ち、まわりの人の心を照らす。そして、消えた時にどうしようもなく重い影を落とす。ささやかな偉大さだったかもしれないけれど、えり子さんはここいて、そしていなくなった。
<目次>
キッチン
満月 キッチン2
ムーンライト・シャドウ
1964(昭和39)年、東京生れ。日本大学芸術学部文芸学科卒。87年「キッチン」で「海燕」新人文学賞、88年単行本『キッチン』で泉鏡花文学賞、89(平成元)年『TUGUMI』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞。海外での評価も高く、イタリアのスカンノ賞、フェンディッシメ文学賞を受賞。『アムリタ(上・下)』(紫式部文学賞)
