【No.482】切り裂きジャックの告白 中山七里 角川書店(2015/04) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

「切り裂きジャック」-約130年前にイギリスで実際にあった猟奇殺人事件。

この事件を模倣したと思われる内臓をすべてえぐり取られた若い女性の遺体発見。

それからテレビ局への犯行声明。

グロテスクで目を背けたくなるような表現があります。

 

残忍な連続殺人に関わる人々の愛憎や苦悩。

臓器移植に関する善意や悪意。

 

次作の「セイレーンの懺悔」にリンクするそれ以前の事件。

 

臓器移植に関して深く切り込んで考えされる課題本。

 

需要(移植を待つ患者)に対して供給(脳死の判定)が少ないこと。

患者にとっての臓器移植への推進。

またその反対に、日本人の死生観―心臓が止まって体が冷たくなっていくそんな死とは違う脳死の扱いから臓器移植の慎重への是非など。

この臓器移植を巡って、ドナーやドナーの家族、移植を待つ患者、その家族、コーディネーター、医者等々。いろいろな立場からの意見が書かれていました。

 

医療は万能ではないこと。

命のやりとりに人為的な問題が絡んでくるため真実はきれいごとにはならないこと。

それぞれの立場になって慎重に考えていかないといけないこと。

グレーではなくてどちらかを選んで乗り越えなければならない問題だと思うのだが。

 

 

 <目次>

一 君臨

二 焦燥

三 恐慌

四 妄執

五 恩讐

エピローグ

 

1961年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー