【No.465】選んだ孤独はよい孤独 山内マリコ 河出書房新社(2018/05) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

山内マリコさんには珍しい主に男性目線で語られる短編集。

 

「男子は街から出ない」地元のボーリング場で中学の同級生が、独身のままと結婚しているという立場の違いはあるが、ふとした街によくあるような風景のなかでのお互いの心の葛藤が描かれている。

 

「さよなら国立競技場」山内さんの母校・富山第一高校サッカー部が全国優勝したことを基にしていて彼女自身、実際に国立競技場まで応援(取材)に行っている。

全国優勝したあと、ゴールデンエイジが抜けたのちのサッカー部の成績の低迷や後輩たちの空虚な気持ちはよくわかる。

 

「彼女の裏アカ物語」お互い様。裏アカウントで、僕に対する彼女の嘘を知ったときの驚き!彼女が僕の嘘を知ったときも同じだ。

 

「ぼくは仕事ができない」ある社員・角岡さんに接する人たちの見る眼の角度や事情の違いによって、それぞれ人によって評価や思惑が違うのが面白い。

 

「事情通K」「Kが出した結論は、『それなりの大学に行って、それなりの会社に入ったやつは、それなりに稼いでいる』というもの。」について、僕の経験から考えるとほぼそのとおりではないかな。

 

「おれが逃がしてやる」無難なサラリーマン生活(クラブ)からウエンツ瑛士と共演できるような役者などの破天荒な世界に逃げ出せたら……。ちょっぴりでもそんな気持ちや勇気がほしい。

 

総じて、男の生き様ってこういう感じなのかなと。

わかる部分もあればわからない部分もあってよかろう。

もう少し生きやすい世の中になったら。

とにかく息苦しい世の中から本を読んでいるときくらいには抜け出したい。

 

 

 <目次>

男子は街から出ない  

さよなら国立競技場   27

女の子怖い   39

彼女の裏アカ物語   54

「ぼく」と歌うきみに捧ぐ   60

あるカップルの別れの理由   63

ミュージシャンになってくれた方がよかった   80

本当にあった話   81

ぼくは仕事ができない   85

型破りな同僚   113

事情通K   114

おれが逃がしてやる   117

仮想通貨   132

いつか言うためにとってある言葉   133

愛とは支配すること   135

子供についての話し合い   147

ファーザー   148

心が動いた瞬間、シャッターを切る   151

眠るまえの、ひそかな習慣   170

 

 

1980年富山県生れ。大阪芸術大学映像学科卒業。2008年「16歳はセックスの齢」で「女による女のためのR‐18文学賞読者賞」を受賞。2012年、初の単行本『ここは退屈迎えに来て』を刊行、地方に生きる若い女性のリアルを描き、同世代の女性読者を中心に一躍人気作家となる。