章子の元に届いた20年後の未来の自分からの手紙。
その結末がほんとうはどうなるのか心配になった。
15P
言葉には人をなぐさめる力がある。心を強くする力がある。勇気を与える力がある。いやし、はげまし、愛を伝える事もできる。
361P
墓場まで持っていかなければならない秘密。そんなものを抱えているのは、物語の中の登場人物だけだと、僕は思っていた。仮に、現実でそんなことが起こるとしても、僕には無縁のものだとも。
「章子」
章子の視点から描かれている、子供の頃の手紙の部分は、漢字が少なく平仮名が多かった。
章子の同級生の「亜里沙」
章子の担任の「篠原先生」
「良太」
のそれぞれの視点で描かれている。
親との死別、貧困、いじめ、AV強要詐欺、自殺、毒殺、DV、家庭内暴力、児童買春、二重人格、放火、近親相姦等々。
途中読むのがしんどくてきつくて辛かった。
沈むのはあっという間であって、浮かび上がるのは不可能に近い。
現実にあるような心の闇、精神の崩壊。
その中にでもマドレーヌや花火、シャインマスカットなどのほんのささやかなものにかすかにみえる一縷の望み。
関係するそれぞれの人物たちには希望があり、救いがあり、暗くない将来があるのかどうか!
明るい未来があるようにはとうてい感じられなかったが。
苦しんでいることがあるなら、誰かに助けを求めることだ。
世の中にはしっかり話を聞いてくれる大人がいるはず。
真心から訴えれば、誰かがちゃんと耳を傾けてくれるはずだと願いたい。
<目次>
序章
章子
エピソードⅠ
エピソードⅡ
エピソードⅢ
終章
1973年広島県生まれ。「告白」で本屋大賞、「ユートピア」で山本周五郎賞を受賞。ほかの著書に「贖罪」など。
