【No.442】わかって下さい 藤田宜永 新潮社(2018/03) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

こころに響いた。

まず惹かれた。

小説は始まりが大切。

あとに読み進めていくべきと、まるで誰かに後ろから背中を押されるかどうかが重要だ。

こういう心境でいままで生きてきたことはわかるような気がする。

 

6P

「取り立てて不満のない人生である。不満がないからと言って充実しているわけではない。空気の抜けた風船が、風任せに右に揺れたり左に揺れたりしているような、何とも頼りのない日々を送っている。」

 

 

あの日あの時あの場所で!

それぞれの老年期の恋愛が縷々綴られている。

じわじわっと涙腺が緩んでくる。

恋愛には、年齢は関係がない。

胸がだんだんと熱くなってくる珠玉の大人向けの短編集。

 

青春時代など若き頃に出逢わなくても、周りの人の死別や離婚などのあるきっかけを通じ人生経験を経て、いつかその人に知り合うことになるのだろう。

自分の体験から考えてみると、出逢える人には出逢えるべきして必ず会っているもの。

また逆にご縁のない人は、出会っても遅かれ早かれ、いつかは自分から離れていくものであり、追い求めてはいけないものだ。

運命というべきものなのか!

あの日、あの時にあの場所に行かなければ、決して出逢えていなかった。

 

出逢ったときのエピソードを踏まえて振り返ってみると、

それは偶然ではなく、必然のことのように思えて仕方がないのだ。

 

 

 

 <目次>

わかって下さい  

白いシャクナゲ   51

恋ものがたり   87

観覧車   125

エアギターを抱いた男   171

土産話   215

 

 

1950年、福井生れ。早稲田大学中退。エール・フランス勤務ののち帰国し、『野望のラビリンス』で作家デビュー。1995年『鋼鉄の騎士』で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞特別賞を、1999年『求愛』で島清恋愛文学賞を、2001年『愛の領分』で直木賞を、そして2017年『大雪物語』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に「女系の教科書」など。