【No.432】伝説の女傑 浅草ロック座の母 齋藤智恵子 竹書房(2017/11) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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「自分たちのシマ(縄張り)で興行を打つならその場所の使用料を支払え!」

ヤクザ者がショバ代を要求してきた。

彼らがヤッパ(短刀)を畳に突き刺した。

「俺はなぁ。斬る度胸はないが、斬られる度胸はあんだ!やってみろ!」

けっしてひるまなかった。

彼女は、腹の底から声を出してヤクザ者に対して逆に啖呵を切った。

このヤクザ者がのちほど彼女の応援をするようになったというエピソードがここに書かれてあった。

 

この浅草ロック座から、渥美清さん、三波伸介さん、伊東四朗さん、東八郎さん、萩本欽一さん、坂上二郎さん等という有名なコメディアンがたくさん輩出された。

 

また、若山富三郎さん、北野武さん、勝新太郎さん、山城新伍さん、三船敏郎さんなどという芸能界の大スターたちとも彼女は熱い親交があったという。

 

ストリップ劇場・浅草ロック座の創始者にして名誉会長の齋藤智恵子さん。

彼女は、数々の武勇伝を残す伝説のママだ。

多くの人から好かれたという意味での「人たらし」。

彼女の波乱万丈の生涯から、ほか人よりも倍以上人生を謳歌した女性だったと感じた。

 

印象に残った文章。

ぼくがいまこのように運良く幸せであるのは、先祖の陰徳のお陰であろうか。

 

236-238P「陽徳と陰徳」

占いの先生と、徳を積むということについて話をしたことがあります。

「徳には陽徳と陰徳があります。陽徳というのは、相手に対して直接的にわかりやすく、してあげることです。だから相手とか周りから、ありがとう、ありがとうと言ってもらえます。

陰徳というのは、人知れず役に立っていることです。だから特に感謝の言葉をもらえるわけじゃない。でもね、陰徳のほうが効くんですよ。徳としては、より気高いものです」

(中略)

先生は答えました。

「返ってくる場合もありますし、もしかしたら生きているうちには返ってこない場合もあります。でも自分の代で返ってこなかったら、子供とか孫とか、次の世代に返ってきますから。だから自分にとっていいことがあったり、運が良かったりしたら、こう考えてみてください。それは先祖様が徳を積んでいてくれたんだと」

 

 

 <目次>

オープニング 女帝と呼ばれて

1区 旅立ち

2区 踊り子

3区 全国制覇

4区 本丸

5区 座頭市

6区 ママ

フィナーレ 卒寿に舞う

 

 

大正15年(1926年)11月11日生まれ。宮城県白石市出身。浅草ロック座名誉会長。

35歳の頃、東八千代(あずまやちよ)の名でストリップデビュー。

以後、踊り子を続けながら経営者としての手腕を発揮。日本中の劇場を買い取っていき、44歳の頃には全国で二十館以上の劇場を経営。

昭和47年(1972年)、46歳で浅草ロック座のオーナーとなった。

業界内外に幅広い人脈を持ち、多くの著名人にも慕われた。数々の武勇伝も残すが、愛情深くチャーミングなその人柄から、“ママ”と呼ばれて周囲の誰からも愛された。

平成29年(2017年)4月28日、胃がんにより逝去(享年90)