【No.409】ナラタージュ 島本理生 角川書店(2005/02) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

モチベーションが上がらないとぼくは読み進めることができない。

 

富山で映画のロケが行われる約半年前に。

ぼくは一度これを手にしていた。

「8」の110Pまでを読み終えて読むのをやめてしまった。

これから高校演劇部の葉山先生と元生徒の工藤泉との間で恋愛が進展するところで。

今後の動向にぼくの心が躍らなかった。

 

舞台挨拶の中継があった初日、ぼくは映画館に足を運んでいた。

 

あれからこういう展開があったのか。

こういう伏線だったのか。

内川や富岩運河公園など富山県内のロケ地の場面がたくさん出てきた。

身近な場所が画像となっていたから、なにか新しい宝物を発見できたような感覚となって嬉しかった。

 

☆ナラタージュ-映画などで、主人公が回想の形で、過去の出来事を物語ること

 

63P

膨らんでいく夜の中で、洪水のようなカエルの合唱と水の流れる音がいつまでも永遠のように聞こえ続けている。

朝になるとよく晴れていた。二階から窓を開けると清々しく乾いた風が部屋の中に舞い込んできた。大きな山々の麓には真っ青な稲穂の揺れる田が広がり、鳥が飛び立っていく影がはっきりと映っている。窓から身を乗り出して何度か深呼吸していると、庭の裏でバケツに水を汲んでいた小野君のお母さんと目が合って笑われてしまった。

 

自分がそこにいて、例えば目の前にしているかのように、耳をそばだてているかのように五感に訴えてきた。情景描写の表現がわかりやすくてこの作風が気に入った。

 

いままたこれを手にしている。

映画では内容を端折っているが、概ねこのとおりに物語が進んでいた。

 

元生徒と先生など恋愛には、いろいろな形があるんだ。

本当に愛してる人とは一緒になれない辛さ、いじらしさがしみじみとわかる。

別れた痛みでさえ、前に歩んでいくための大切な経験ではないかと。

文字を読みながら感動を行間で味わっていきたい。

 

 

1983年東京生まれ。立教大学文学部在学。1998年初めて応募した『ヨル』で「鳩よ!」掌編小説コンクール第2期10月号当選、年間MVPを受賞。2001年『シルエット』で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年都立高校在学中に『リトル・バイ・リトル』が第128回芥川賞候補となり、大きな話題を呼ぶ。同年、第25回野間文芸新人賞を最年少で受賞。2004年、『生まれる森』(「群像」2003年10月号)が第130回芥川賞候補となる。思春期の繊細な感情や心の痛みを鮮やかに表現し、10代・20代の読者からの支持も高い。