最近、ものごとを少しずつ忘れがちになってきたことにじつは気づいています。
(動きが緩慢になってきたことや音が聞こえづらくなってきたこともあるかも(笑))
だからできるだけ手帳などの紙に必要な用事を書くようにしています。
そうすると、頭では忘れていてもそれを見たら、はっ!と思い出すことができますね。
(見ても思い出せないこともありますが(笑))
だんだんと少しずつ「老い」を実感する日々が増えてきました。
柴門ふみさんの旦那の弘兼さんも同じような状況下で、こんな気持ちになってきているのことを知って少し安心しました。
歳を重ねてくるとだれにでも「老い」になることを教えてくれた微笑ましく優しい本です。
ドラマとなったあの「東京ラブストーリー」で有名な柴門ふみさんとぼくとはある意味同世代かな!
彼女が書いた日々のささやかな題材や客観的なものごとの視点に共感することが多くてうれしい。
「老い」が愛おしくなるエッセイ集です。
<目次>
一 老いては夫を従え
二 アジサイとアサガオ
三 青春返りの、ススメ
四 アナログ脱却のタイミング
五 身体に優しい服をもとめて
六 気持だけ少年・少女
ほか
1957年生まれ。徳島県出身。漫画家、エッセイスト。代表作に「あすなろ白書」「東京ラブストーリー」「同窓生」など。また、恋愛のエキスパートとして女性向けのエッセイ著書も多数。
9P
「私もそうよ。一日中掃除してるわ。これってつまり、歳とって我儘になったからなのよ」
「はあ?我儘?」
掃除することのどこが我儘なのかと私は聞いた。すると、
「若い頃って、多少雑然とした部屋でも我慢できたじゃない。その我慢ができなくなったってことが、ワガママなのよ」
彼女は言う。辛抱できずに、この世を<我が>の思うままにしたいと欲することが我儘なのだ、と。
27P
女性は人生の段階として、幼児期→思春(反抗)期→結婚・出産→道徳期→おばあさん(自分のことしか関心がない)となるような気がする。
要するに、一人の人間がずっと同じ人格であり続けるなんて不可能だ、ということなのだ。人は年代と共に、考え方も価値観も変化する。成長もあれば後退もある。
192P
しかし、メニューを決める段階で、
「お姑(かあ)さんは。何にしますか?」
息子の奥さんが私に聞いた。その時、戸惑いつつも嬉しい気分になった私が詠んだ一句。
お姑さん呼ぶ女あり星月夜
十年後に私がこの句を読み返したとき、入籍の夜の食事会をありありと思い出すことだろう。私は俳句に求めるのは、つまりこういうことなのだ。短い言葉に、瞬間の情景と気持ちを閉じ込めることが上手にできればそれでいい。
