No.291 コーヒーが冷めないうちに 川口俊和 サンマーク出版(2015/12) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。




この物語が進行していくためには、これらのルールを守らないといけない。




喫茶店「フニクリフニクラ」には、非常にめんどくさいルールがいくつもあります。



一、過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事ができない


二、過去に戻ってどんな努力をしても、現実は変わらない


三、過去に戻れる席には先客がいる 席に戻れるのは、その先客が席を立った時だけ


四、過去に戻っても、席を立って移動する事はできない


五、過去に戻れるのは、コーヒーカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ


六、過去に戻れるのは、1回限り


実は、ほかにも「未来」にも行くことができます。






 


たとえ過去に戻っても、現実を変えることはできないし未来を変えることはできない。


そうであっても過去に戻りたい人がいるのだから……。面白い。







 


ぼくならば、過去に戻って誰に会いたいだろうか。


誰に会いたいかな。未来ならば……。







 


この四話は、舞台の演劇みたいな感じがします。



喫茶店の雰囲気や登場人物の様子などが、映像を見ているように頭に浮かんできます。



この著者さんのプロフィールには、「脚本家兼演出家」と書かれてあったからなるほどなと。









 


現実は、過去に戻ることなんてできるわけはありません。




常日頃から後悔しないように、ご縁のあった人たちと大切につき合っていきたい。



たとえつらい現実を変えられなくても、自分の心は柔軟に変えて生きていける人でありたい。





 <目次>

プロローグ 1

第一話「恋人」 結婚を考えていた彼氏と別れた女の話 7

第二話「夫婦」 記憶が消えていく男と看護師の話 91

第三話「姉妹」 家出した姉とよく食べる妹の話 177

第四話「親子」 この喫茶店で働く妊婦の話 267






◎大阪府茨木市出身。1971年生まれ。元・劇団音速かたつむり脚本家兼演出家。舞台、1110プロヂュース公演「コーヒーが冷めないうちに」で、第10回杉並演劇祭大賞を受賞。同作で小説デビュー








347-348P

結局、過去や未来に行っても、何ひとつ現実は変わらないわけだから、この椅子に意味などないのでは?と都市伝説を扱う雑誌には書かれていたが、


(心ひとつで、人間はどんなつらい現実も乗り越えていけるのだから、現実は変わらなくとも、人の心が変わるのなら、この椅子にもきっと大事な意味がある……)


と、数は信じて今日も言う。


「コーヒーが冷めないうちに」

涼しい顔はそのままに……。