知らないことを知ることやわからないことがわかるって楽しい!
例えば、家にある電化製品類―家電に対して萌えるという気持ちは、ぼくの頭のなかにはまったくありませんでした。
「近年では、可愛くない家電は家電とはみなされない」
家電を通じて幸福を追求していくという方向性がわかりました。
また、ルンバなどの自動掃除機―自分が育てたかわいい家電に人格を移植できるビジネスの可能性などを知りました。
もしも友人からの紹介がなかったら?(と考えると)
今のぼくにとって、この本はまったく目に入らずに手にも取ることがなかったであろうかと。
紹介を受けて読むことができる幸せをこの本で味わいました。
例えば、自分にとって大切なことを気づかせてくれるような本に出会いたいな。
<目次>
はじめに
第1章 しくじったっていい。可愛ければ(トラブルが可愛い、着せ替える、ロボット掃除機の多様な進化 ほか)
第2章 機械に対する意識の変革(ロボットは可愛いという概念、ロボットの老いと死、モノに宿り魂 ほか)
第3章 歩み寄る企業とユーザー(「Siriたん」と戯れる、Siri、HomeKitとAppleの野望、ユーザーの力 ほか)
第4章 人は擬人化を求めている―これからの家電(人間は無意識にモノを擬人化している、コンピュータに「人間」を見てしまう、「生物」を感じる仕組み ほか)
おわりに
◎学生時代はコンピュータグラフィクスの研究を行う。2005年より株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所に勤務。2011年に「萌家電」を発表してからは家電ネットワークに専念。さまざまな家電アプリケーションの開発を手がける一方、一般ユーザーの家電関連開発コミュニティの支援や体験会なども積極的に行っている。博士(情報理工学)
5P
こういった風潮をひと言でいえば、家電の実現するものが、家事よりも大きな世界に広がりを見せてきたということだ。これは言い換えれば、家電に「仕事じゃないこと」を期待するユーザーが出現してきたともいえる。家電は何がしかの機能を提供するのみならず、その「インターフェイス」(人との接点)の重要度が増しすぎた結果、これまで人間関係において観察されてきた「親しみ」や「ユーモア」、もっと言えば「萌え」や「愛情」のようなものまで家電の文脈で語られるようになってしまったのだ。
「近年では、可愛くない家電は家電とはみなされない」と。
197P
家電はこれまで職人エンジニアが技術によりをかけてつくり、メーカーが誇りをもって売ってきた。しかし、これからの家電の開発においては、それだけでは不足であり、データマイニングの専門家や心理学者、行動学者など、人間に関するさまざまな専門家を導入してサービスを提供していく必要があり、何よりもユーザーの力が必要となってくる。
そこから、たんなる便利さを超えた、真の快適さ、もっといえば家電と暮らす幸福に近づく鍵が見つかるはずである。
いま、「萌え」は奇しくも、秋葉原という「家電」の街を席巻している。