お笑いの「ビートたけし」ではなく、映画監督名でも使われる「北野武」という名前で書かれてあるから彼の本気度が十分に窺えます。
北野武さんらしい、彼の考え方や生き方がわかります。
彼は自分のことをよく分かっていますね。
同意できるところもあれば同意できない箇所もあります。
でも、自分の道徳感を持っている真剣な彼の生き方に憧れます。
内容がどうであれ、自分の本音を語ってくれる人が面白いのです。
8P「道徳がどうのこうのという人間は、信用しちゃいけない」
191P「古くさい道徳を子どもに押しつけたって、世の中は良くなんかならない。そんなことより、自分の頭で考え、自分の心で判断できる子どもを育てる方が大切だろう。
そのためには、まず大人が自分の頭で考えることだ。
道徳を他人まかせにしちゃいけない。
それがいいたくて、この本を書いた。
あとは自分で考えてほしい。」
北野さんが書く文章を読んでいると、たくさんのいろいろな分野の本を読んでいる方だとわかります。
少なくとも良書を選んで読んできたことがよくわかります。
「北野武読書法」を語らせたら、面白くてためになるじゃないかと思いますね!
<目次>
はじめに
第一章 道徳はツッコミ放題
第二章 ウサギはカメの相手なんかしない
第三章 原始人に道徳の心はあったか
第四章 道徳は自分で作る
第五章 人類は道徳的に堕落したのか?
おわりに
◎1947年東京都生まれ。漫才コンビ「ツービート」で一世を風靡した後、テレビ、ラジオ、映画や出版の世界でも人気を得る。映画監督としてもヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞
87P
ひとつの知識を本物の知識にするためには、何冊も本を読まなくてはいけない。それは今も昔も変わらない。インターネットで手軽に知識を得ることはできても、手軽に得られるのは手軽な知識でしかない。ハリボテの知識だ。知ったかぶりが増えただけのことだろう。
ぼくは、以下のこの文章にとても共感しました。
(そうであってほしいし、そうであるのではないかと思います。)
◎149P
不思議なもので、成功する芸人は例外なく、あいさつをきちんとするし、それなりの礼儀もわきまえているものだ。人当たりもいいし、ADに横柄な態度をとることもない。
芸人には芸人の道徳ってものがあるわけだけれど、それを細かく教える必要はないし、教えたってなかなか身につくものじゃない。
ところが、向上心があれば、そういうものは自然と身につく。
芸人に限らず、どの世界でも成功する人間は、だいたいそういうもんだろう。
人間社会の中で、上に行こうとする奴は、放っておいても道徳的になる。
そうでないと、上には行けない。
