すごくドライだよな。
イモラル=非道徳・不道徳⇒罪の意識を持ちながら罪を犯す。
アモラル=無道徳⇒罪を悪いこととして捉えない。
後者の人物が出てくるような小説。
◎1961年東京生まれ。1989年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』で直木賞、2011年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞を受賞
147-148P
笑い声の中で、しかし沙知は空想する。勲の愛人としての人生。虫けらみたいに扱われ、意のままになり、気まぐれに抱かれて。空想の中でさえ不幸しか見当たらない人生。それでもそんな人生を、選んで生きることには甘美なものを感じる。ここからそこへ行くということに、意味があるような気がする。意味、あるいはloveが。沙知は空想を続ける。それはある種の自慰のようなもので、果てる一瞬、まるで自分がそこだけを目指して生まれてきたかのような錯覚に陥る。
