こどもはたまもの。
血のつながりを必要としないたまもの。
たまものは、まさに天からの授かりもの。
こどもを育てるのと併せて、自分も育てさせていただいているような感覚を持ちました。
いままでこどもを産んだ人、育てた人、これからの人、いや、そうでない人、そうでなかった人にも。
いずれにしても多くの人に読んでもらえたらいいな。
それぞれの方が感じた思いが大切だと思うから。
◎1959年東京都生まれ。津田塾大学国際関係学科卒。
「もっとも官能的な部屋」で高見順賞、「コルカタ」で萩原朔太郎賞を受賞。
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土曜だった。
学校は休み。
雨もあがったので、わたしは山尾を連れ、車で買い物へ行く。山尾に着るものを買ってやらねばならない。
このごろ、気づくと、靴下が小さい、トレーナーの袖がどうもつんつるてん、ジーンズの裾、折り返しを伸ばしてもまだ足りない。
驚く。子供って、伸びるとき、音もたてずに伸びていく。
子供だけじゃない、草もそう。伸びるとき、伸びるものは、なんであんなに静かなのか。
誰にも断らずに勝手に伸びる。
自分でも、伸びていることに気が付かないんだ。
