口調がもう流暢で、難しい単語もよく知っているし。
普通の大人でもここまでは語れないわな。
本を5千冊以上読んだことがある人のように、たくさんの文字表現を使っているんですよ!
これは、いったいどんな小学5年生なんだ。
こんな小学生は、実際にはなかなか存在しないだろうな。
各小説の1行目に、犯人の名前があります。
その情報は絶対正しい!
だからこそ、彼は神様なのだ!
<目次>
少年探偵団と神様 7-52
アリバイくずし 53-94
ダムからの遠い道 95-134
バレンタイン昔語り 135-182
比土との対決 183-234
さよなら、神様 235-282
☆1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。91年「翼ある闇」でデビュー。2011年「隻眼の少女」で日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞を受賞。
251p
「理由など必要ない。僕はここにあるだけ。気紛れに人間を創り、人間が僕を神と呼ぶだけ。今日は質問が多いね。仕方がない、最後に教えてあげようか。君が一番知りたいことを」
「いい」
俺は目を伏せ拒絶した。神様は鼻で嗤うと、
「じゃあ代わりに一つだけ教えてあげよう。比土優子は自殺したよ」
「えっ」
俺が顔を上げたときには、やつはもう背を向けていた。まるでドラマの主人公のように、背中越しに右手を軽く振りさよならの合図をしている。
「おい、どうしてそんなことを云うんだ」
廊下の奥に向かって叫んだが、答えは帰ってこなかった。
そして神様はあっさり転校していった。
勝手なものだ。
