その人のことを知りたければ、その人が書いた本を読めばいい。
その人のことをもっと知りたければ、その人が語った言葉からその本人を理解すればいい。
それほど言葉とは、重たいものだと思います。
「生き方が芝居に出る」
「心をいつも感じやすい状態にしている」
お母さんにただ褒められたくて。
映画俳優をやってきた理由のひとつがわかりました。
プライベートは、いたって饒舌な人です。
映画では、数少ない言葉やそのしぐさ、後ろ姿などの演技で、我々に何か言いたいことを強く訴える、そんな感性を持っているプロフェッショナル。
50年以上、200本以上もの映画に出演されてきました。
納得できる映画しか出演しないというこだわり。
これからもまだまだ映画に出たいとおっしゃっておられました。
愛おしい日本男。
彼にとても惹かれます。
本名、小田剛一さん。
映画俳優、高倉健さんのご冥福を心からお祈りいたします。
◎1931年福岡県生まれ。明治大学商学部卒業。
出演作に「網走番外地」「昭和残俠伝」など。
98年紫綬褒章受章。「鉄道員」でモントリオール世界映画祭最優秀主演男優賞など受賞多数
149-150P
撮影の現場で俳優は、もう二度とできない、最高のところまで昂ぶる、そのエネルギーみたいなものは一回だけで、そこをキャメラも録音部もありとあらゆるパートの方が撮ってくれないと、絶対に二度はないっていうことなんですね。
その昂ぶりを言わなくても、今度は“くるぞ”って察して、わかってくれる人たちがやっぱり“合う人”ってことになっちゃいますね。
203-204P
お母さん。
僕はあなたに褒められたくて、ただ、それだけで、あなたがいやがってた背中に刺青をいれて、返り血浴びて、さいはての『網走番外地』『幸福の黄色いハンカチ』の夕張炭鉱、雪の『八甲田山』。北極、南極、アラスカ、アフリカまで、三十数年駆け続けてこれました。
別れって哀しいですね。
いつも―。
どんな別れでも―。
あなたに代わって、褒めてくれる人を誰か見つけなきゃね。