これは、小説なんだ。
けれども、これはもしかして、もしかして、実話なのか?と思ってしまうそんなお話です。
後妻業(ごさいぎょう)とは、「色で老人を喰う」ような恐ろしき裏稼業。
とある結婚相談所と結託して資産家と知り合い結婚するのです。
高齢者の事情につけこんで、心の隅間につけいるところは、まったくおぞましい。
年齢を重ねても恋をしたい、一人でいるのは寂しいから誰かそばにいてほしいという切ない願いがよくわかります。
それを巧みに悪用しているところにが腹が立つのを通り越してあきれかえります。
まじめに知り合ってから、この人ならいいかと籍を入れたら……。その財産目当てに殺されてしまいます。
こんな恐ろしい人がいるなんてまったく思っていなかった。
これは、まったく小説なんだと思います。
けれども、これからの高齢社会においても、ありえるお話ではないかと思ってしまうのです。
甘い話にはぜひ気をつけたい!
その人の経歴をちょっと調べるとわかりますよ。
悪人は今に始まったことではないからです。
このように気持ちを入れ込ませてくれた黒川博行さんの手法にはまったく恐れ入りました。
また素晴らしい作家さんと知り合うことができてうれしい!
☆1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年に「二度のお別れ」が第1回サントリーミステリー大賞佳作。86年に「キャッツアイころがった」で第4回サントリーミステリー大賞を受賞。96年に「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞を受賞。2014年に『破門』で第151回直木三十五賞を受賞
