12P
「前にもいったことがあると思うけど、ホテルを訪れる人々は仮面を被っている。お客様という仮面をね。それを剥がそうとしてはいけない」
ちょっと考えただけでは、簡単にわからないミステリー。
途中で休止を入れたくないくらい、一気に最後まで読みたくなります。
なかなか面白い本だという基準のひとつに、「次を知りたくてワクワクしながら作品の中に惹きこまれる」というのも入れておきたい。
198P
ホテルにはいろいろな人間がやってくる。尚美は改めて思った。彼等は皆、仮面を被っている。だからホテルマンは、決してその仮面を外そうとしてはならない―。
ホテルには、仮面をかぶった人が実際にもたくさんやってくるのか?とホテルマンに訊きたくなります。
殺人捜査に当たる若手刑事“新田浩介”と女性フロントクラーク“山岸尚美”の二人が出会う前の物語だったからこそ、
ぼくは「マスカレード・ホテル⇒マスカレード・イブ」ではなく、「マスカレード・イブ⇒マスカレード・ホテル」という風にして、あえて読みたいな!
この本を読んだら、ぜひとも次に「マスカレード・ホテル」を読みたくなり、それにも増して、東野圭吾さんの本をもっと読みたくなりますね。
<目次>
それぞれの仮面 7-62
ルーキー登場 63-122
仮面と覆面 123-184
マスカレード・イブ 185-331
1958年大阪府生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒業。85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞と第6回本格ミステリ大賞を受賞
322P
「一度、顔を見ておきたかったな。その聡明な女性フロントクラークとやらの」
「美人ですよ。いつか会えるといいですね」
新田は口元を曲げ、遠くに目を向けた。東京の空が赤く染まり始めていた。事件が解決したばかりだというのに、何かが始まる前触れのような気がした。