この「N」って、具体的に誰のことを指しているのですか?
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「何かしてほしいことはないかと訊かれ、事件の真相を知りたい、と言いそうになってしまったけれど、やめた。
代わりに、何かおいしいものを作ってほしいと頼んだ。わたしにではない。
わたしの人生に愛をくれた人たち―Nのために。」
テレビドラマでの展開を知る前に、本を読めたことはラッキー。
見るまえに、全体を見渡せる心構えができるから。
見ながら、小説をを反芻することができるから。
見たあとに、登場人物にぼくの思いを巡らせることができるから。
この小説は、湊かなえさんらしい!
告白口調で話が進んでいきます。
それらの言葉が五感に直接訴えてくるから、ぼくの頭の中で色彩をつけながら情景を想像してみることができます。
まるでそこで登場人物といっしょに話を聞いているかのように。
湊さんの小説は、展開が速くて面白い。
頭をしっかり働かせていないと、置いて行かれますよ。
終いには、物語のつながりがわからなくなりますよね。
<目次>
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
1973年広島県生まれ。武庫川女子大学卒。2005年第2回BS‐i新人脚本賞で佳作入選。07年第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。同年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し、翌08年受賞作を第一章とした連作長編『告白』を刊行。09年、同作で第6回本屋大賞を受賞。ほかの著書に「少女」など
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自分が守ってあげたことを、相手は知らない。知らせたいと思わない。
なのに、残された時間がわずかと知ると、欲が出てしまう。
あれからもう、十年も経つというのに。
あの事件に関わった人たちが、誰のために、何をやったのか。どうしてそんなことができたのか。
真実をすべて知りたい。そして、知らせたい。
