書かれた背景やドイツの歴史、文化、習慣などを知っていたら、さぞかし理解できただろうかと。
年齢、性別、感性、経験、立場などの差異から、それぞれ人によって受け取る解釈が変わってくるものだろうかと。
ぼくは読み終わってから考え悩みました。
この物語の意味する所はけっこう深く重たいな。
だから行間を読むように、人と議論を交わしたくなります。
ぼくに訴えてくる言葉がありました。
201P『ぼく(ミヒャエル)は彼女(ハンナ)の朗読者でした。ぼくが十五歳のときに朗読を始めて、彼女が刑務所にいるときもそれは続きました』
ハンナは注意深き聴き手。
聞く力を研ぎ澄ましているような感じ。
少しも聞き漏らすものかというほどのハングリーさを持って。
この本を理解するためのワード。
「文盲」
「貧困」
「無知」
「戦争」
「罪」
「苦悩」
「胸を締めつけるような残酷な愛の物語」や「感動的で示唆に富んでいる心を揺らすような話」
21歳年上のハンナの行為は、朗読の報酬だった!?。
ミヒャエルにとっては、これからの彼の人生の大きな代償となった。
なにかトラウマを抱えていくように!
212P 松永美穂さんの「訳者あとがきより」
「ジョージ・スタイナーは、この本を二度読むように勧めている。ストーリーがわかりにくいというわけではない。ただ、一読したときにはインパクトの強い事件ばかりが印象に残るが、二読目に初めて登場人物たちの感情の細やかさに目が開かれる、という体験を翻訳者もしている。感情の襞を日本語でどこまで伝え得たか心ものないかぎりだが、繰り返し手に取ってもらうことができれば翻訳者としても嬉しいかぎりである。」
ベストセラーっていうのは、ブームが去った後で読んでこそ、その真価が見えてくるものです!
43P
「それは朗読のせいだった。あの会話をした翌日、ハンナはぼくが学校で何を勉強しているのか、知りたがった。ぼくはホメロスの叙事詩や、キケロの演説、ヘミングウェイが書いた、老人が魚や海を相手に闘う物語のことなどを話した。彼女がギリシャ語やラテン語を聞いてみたいというので、ぼくは『オデュッセイア』や『カティリナへの演説』」の一節を読んだ」
134P
「窓は外の世界に向かって部屋を広げるのではなく、外の世界を絵のように部屋の中に取り込む役割をしていた。」
183-184P
「ぼくは彼女の顔に浮かんだ期待と、ぼくを認めたときにその期待が喜びに変わって輝くのを見た。近づいていくと彼女はぼくの顔を撫でるように見つめた。彼女の目は、求め、尋ね、落ちつかないまま傷ついたようにこちらを見、顔からは生気が消えていった。ぼくがそばに立つと、彼女は親しげな、どこか疲れたようなほほえみを浮かべた。
『大きくなったわね、坊や』
ぼくは彼女の隣に座り、彼女はぼくの手を取った。」
