美術を巡るミステリーは好きですか?
こんなミステリーは見たことがありません。
あのルソーとピカソの秘められた想いが交錯します。
そういえば、
美術館や博物館などで絵を見る事が好きだったことを思い出しました。
本物の前に立つときのあの独特の緊張感。
与えられた空間の中で本物だけが放つあの張りつめた空気。
「今までどれだけの人に見つめられてきたのだろうか。」
「どれだけの人の心を動かしてきたのだろうか。」
「いままで何人を救ってきたのだろうか。」……。
名画を鑑賞しながら、そんな思いに耽りたくなります。
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「この作品には、情熱がある。画家の情熱のすべてが。……それだけです。
講評で、織絵が言ったひと言。それは、『夢をみた』ばかりでなく、この作品『夢』に捧げられる言葉でもあった。」
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「日本ではまだ類例の少い美術ミステリーの分野をさらに大きく拡げる仕事を期待したい。高階秀爾 大原美術館館長 美術評論家」
<目次>
第1章 パンドラの箱
第2章 夢
第3章 秘宝
第4章 安息日
第5章 破壊者
第6章 予言
第7章 訪問―夜会
第8章 楽園
第9章 天国の鍵
第10章夢をみた
最終章 再会
解説 高階秀爾(大原美術館館長 美術評論家)
◎1962(昭和37)年、東京都小平市生れ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。
マリムラ美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後フリーのキュレーター、カルチャーライターに。
2005(平成17)年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞
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名画はときとして、こんなふうに、人生に思いがけない啓示をもたらしてくれる。
それが、名画が名画たる所以なのだ。
構図や、色彩や、バランスや、技巧の秀逸さばかりではない。時代性、対象物への深い感情、ひらめき、引きの強さ、言うに言わぬむずむずした感じ。見る者の心を奪う決定的な何かが、絵の中にあるか。「目」と「手」と「心」、この3つが揃っているか。
それが名画を名画たらしめる決定的な要素なのだ。
