307-308P
「にっこりと微笑んだ舞がドアの向こうに見えなくなると、気のせいか応接室はふいに火が消えたようになる。
ドアをしめた児玉は、その中にまだ、ぽつねんと立ちつくしながらふと思った。
花咲舞か、華のある女だな、と――。」
水曜ドラマ「花咲舞が黙ってない」を見ていましたか?
「東京第一銀行の臨店班、花咲舞と相馬健のコンビが、銀行内の様々なトラブルを解決していく。臨店班とは問題を起こした支店へ直接出向き、業務指導し問題解決を図る部署である……。」
ぼくは、主演の花咲舞役の杏さんのほか、支店統括部臨店班調査役の相馬健役の上川隆也さん、真藤部長、児玉次長、芝崎次長、辛島部長など出演されたおおくの方々の顔を思い浮かべながらこの本を読んでいました。
「ドラマも小説もどちらも面白い!こういう楽しみ方が好き!!」
脳裏に彼女の雄姿が思い出されてきます。
花咲舞、いや、女優の杏さんには、やはり「華」があるなあ。
<目次>
激戦区 5-40
三番窓口 41-80
腐魚 81-118
主任検査官 119-156
荒磯の子 157-196
過払い 197-234
彼岸花 235-270
不祥事 271-308
◎1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。旧三菱銀行勤務などを経て、「果つる底なき」で第44回江戸川乱歩賞を受賞。、『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、『下町ロケット』で直木賞を受賞。他の著書に「M1」「銀行狐」など。
273P
「客によって差別はしません」舞の言葉に相馬ははっとなった。
「私はテラー。さっきのお客さんがよくなかったのは、怒鳴ったことじゃない。
順番というルールを破ろうとしたことよ。
そのルールを守って一生懸命やっていることをわかってもらえれば、お客さんは納得して待ってくれる。
だけど、そのルールを一旦崩したら、たちまちお客さんの我慢は限界に来るでしょうね。
そのために大事なことは、お客さんと公平に接することじゃないかしら」
