☆ソナチネ 小池真理子 文藝春秋 (2014/04)☆ | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。




「収録された七編を貫くテーマは、「官能」と「生死」。



人間が常に向き合い続けてきた普遍的なテーマです。」




「官能」側、とくに、艶めかしい甘美な世界に引きずられる衝動を覚えます。







少し感動というのとは違うかな。





言葉に惹かれるという感じが合うかもしれない。





なにかついつい最後まで読んでしまう。





そうしたらよかったわ!!というような感じ。




小池真理子さんの罠にハマってしまったというような感じかな。




だから、小池さんの小説は面白い!





 <目次>



40



木陰の家 4167


終の伴侶 69102


ソナチネ 103133


千年萬年 135169


交感 171206


美代や 207246





◎1952年、東京生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で第42回日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で第114回直木賞、98年『欲望』で第5回島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で第19回柴田錬三郎賞、『無花果の森』で2011年度文化庁芸術選奨文部科学大臣賞、2013年『沈黙のひと』で第47回吉川英治文学賞を受賞





◎19P 鍵


微笑み合うとか、ウインクし合うとか、その種の表現は何ひとつ、していなかった。


二人はただ、まっすぐに見つめ合い、周囲の一切を遮断しながら、互いだけの世界に浸っていた。


時間にして、わずか三、四秒ほどの間の出来事だったが、周子にはそれが、視線と視線の、まごうことなき性交のようなものだとしか思えなかった。


嫉妬よりも先に、怒りがあった。卑猥だ、と思った。不潔だ、と思った。






◎125P ソナチネ



佐江もまた、そこにこめられているであろうものを瞬時にして受けとめた。

二人の視線は、無数の目に見えない、細いが強靭な糸のようになって、烈しく絡み合った。


それは決して言葉では説明できない、あえて言うならば、深い共犯者意識に近いものだった。

ただひとえに、肉体の奥の奥、深い闇に閉ざされた部分でのみ、感じられるものだった。








187P 交感


人が現実に生々しく体験したことが、時間によって中和されて、ある化学反応を引き起こし、やがて小説における本質を導き出すのではないか。


経験したことの積み重ねが、作家自身にもわからない法則にのっとって溶け合い、抽象度を増し、その流れの果てに物語やテーマが生まれてくるのではないのか。


そんなふうに思えるのです。