「愛を掘り下げ、性を突き詰めた。
引かれ合い、落ちていく「男と女」にこだわり続けた渡辺淳一さん。
理屈では割り切れない人間の内面を探りたいという、
終わりのないテーマを追い求めた作家人生だった。(加藤義久さん 共同通信記者)]
※平成26年5月6日(火)北日本新聞朝刊25面より抜粋
応援していた作家がまたひとり旅立たれました。
彼の本は、いままで十冊以上は読んでいるものと思います。
性描写が単に刺激的であったからだけではありません。
人間の本質が色濃く表れる情景に惹かれて、自分がそこに重ねあわせることができたから。
渡辺淳一さんのご冥福を心からお祈りいたします。
<目次>
第1章 おとずれ
第2章 愛のさなかに
第3章 定まりぬ
第4章 ときめき
第5章 さまざまな男女
第6章 神秘の森を学ぶ
第7章 性のかたち
第8章 新しき恋
第9章 夫人への告白
第10章愛しきゆえに
第11章同期の仲間
第12章京への旅
第13章人間らしく
第14章回春科
第15章愛 ふたたび
◎1933年北海道生まれ。医学博士。58年札幌医科大学医学部卒業後、母校の整形外科医として医療にたずさわるかたわら小説を執筆。
作品は初期の医学を題材としたものから、歴史、伝記的小説、男と女の本質に迫る恋愛小説と多彩で、医学的な人間認識をもとに、華麗な現代ロマンを描く作家として、常に文壇の第一線で活躍している。
70年『光と影』で直木賞受賞、80年に『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞、2003年には菊池寛賞受賞。
平成26年4月30日午後11時42分東京都内の自宅でお亡くなりになられる。
「『女性は、男性と違って、セックスだけを求めているわけではないのです。
それ以外の、愛の言葉や接吻もなければ、男を受け入れる気になれないのです』
女性はそれより優しく抱き締められ、沢山の愛の言葉を受けて接吻する。
そうした、どちらかというとソフトな面を好んでいる。
セックスは、その結果として生じる一つの行為にすぎない。
『互いに触れ合って、男と女で、求めているものは違うのだよ』」
