45P「一匹一匹の蛆が光って見えはじめた。(中略)蛆も生命なのだ。そう思うと蛆たちが光って見えた。」
俳優の本木雅弘さん主演のアカデミー賞受賞映画「おくりびと」の原案となった「納棺夫日記 青木新門 桂書房(1993/03)」を読んだことがあります。
このことが思い出されます。
「はじめのころは書かれている内容がわかったけど、後半は、宇宙とか宗教などに飛躍して書かれてあったので、よくわからなかったな」と。
29P「生と死が限りなく近づくか、生者が死を百パーセント受け入れた時、あらゆるものが差別なく輝いて見える瞬間があるのではないだろうか。」
しかしながら、青木新門さんが何を言いたかったのか、ぼくらに何を伝えたかったのか、あれからすこし時を経て、人生をいろいろと経験してきて、そして、この本を読んでからその意味を少しずつわかりはじめてきました。
8P「表題には、『仮題「納棺夫日記」とあった。』中略……。
(おくりびとには)要するに宗教を取り上げた部分が完全に削除されていたのである。
死の実相を知るということは、必然的に宗教を知ることになり、そして、人は死んだらどうなるのか、仏教のいう往生とはどういうことなのか、そのことを知った時初めて人は安心して生きていけるものだと言いたかったのである。
私には体験から学んだ確信があった。死を恐れ、死に対して嫌悪感を抱いていては死者に優しく接することなどできないということ。
すなわち生死を超えて対処しなければ、納棺夫の仕事は務まらないということ。そのことを書いたつもりであった。」
青木さんが書いた二つの本がやっと僕の中でつながったよ!
うれしいな!
読書を通じて良い経験をすることができてよかったな!!
<目次>
序―『納棺夫日記』と映画「おくりびと」(映画化で原作者を辞退、納棺夫が伝えたかったこと)
第1章 死の現場での体験(親族の恥と罵られ、恋人の瞳 ほか)
第2章 死ぬとはどういうことか(生と死の区別、十四歳の二人の少年 ほか)
第3章 死者たちに導かれて(仏教との出遇い、いのちの光を拠りどころに ほか)
第4章 いのちのバトンタッチ(光に触れた後の生き方―悟りと八正道、死後の世界の有無―有見と無見 ほか)
あとがき
◎詩人・作家。1937年、富山県(下新川郡入善町荒又)生まれ。早稲田大学中退後、富山市で飲食店「すからべ」を経営する傍ら文学を志す。
吉村昭氏の推挙で「文学者」に短編小説「柿の炎」が載るが、店が倒産。
1973年、冠婚葬祭会社(現オークス)に入社。専務取締役を経て、現在は顧問。
1993年、葬式の現場の体験を「納棺夫日記」と題して著しベストセラーとなり全国的に注目される。
なお、2008年に『納棺夫日記』を原案とした映画「おくりびと」がアカデミー賞を受賞する。
著書に「納棺夫日記」「転生回廊」「いのちの旅」など
