市川嘉一 著 『交通崩壊』でみる、ローカル線の窮状と対策 | 国道179号線沿線住民とっ散らかりブログ

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楽器もできない音楽好きのおっさんが
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撮影地:伯備線・豪渓駅周辺、通称セリカカーブにて



ちょうど説明しやすいモデルケースがあるので、それを元に語りたい。

「坊っちゃん列車を考える会」初会合 累積赤字は14億円…伊予鉄グループが運行経費の支援など求める

この機関車の説明も必要ないかと思いますが、


松山市内の路面電車でも、観光列車の「坊っちゃん列車」が運休しているという話。
理由はこの機関車を動かせば動かすほど赤字で、雪だるま式に積みあがったその債務がなんと14億円!
赤字は仕方がないところもあって、例えばこの写真の場所の折り返し。
機関車の反転には最低3人必要で、その人権費、そしてムダなのは人手が必要なのはこの時だけで
あとは必要ないんだが、折り返しを待ってる間はコレと言って仕事がない非効率さ。

考えていただきたいのは、地域にとって鉄道ってなに?役割は?と。
移動の手段ではあるのは間違いないが、例えばこの観光列車、
観光列車というのはただの移動手段という以前に、
それを目当てに乗り・観に現地に足を運ぶ観光客が(正確な数は分かりませんが)集まる。
とするならばいわば観光資源であり、人が来れば飲食店・お土産屋・宿泊業には客数に見合った額が
落ちるはずなんです。
だがしかし実態は、その運用は地場の鉄道会社一社に全任せし、
”ある意味オイシイところだけ”を吸い取っている構造だとするならですよ、
観光圏内のサービス業もそれなりの一定額の負担をしていただく、
松山市ですと伊予鉄道ももらってしかるべきだと思いますし、
14億円まで赤字が膨らむまで、そこの話し合いをスルーしてたことが信じられなくて。

ですが地場のサービス業たちが
「こんなの観光資源でもなく、集客なんてないと思うので払いません」ということなら
運休どころか廃止も検討していい。
正直、坊っちゃん列車、一度乗りたかったですし、写真も撮りたかったなあ。(-_-;) 

なにも坊っちゃん列車に限ったことではなく、ローカル沿線津々浦々
今一度ローカル鉄道の地域寄与度を踏まえ、恩恵に与る地場サービス業界の一定額負担
考えていい時期なんじゃないかな。
滋賀県がローカル私鉄支援のための交通税導入を検討中らしいのだが
あらたな財源の私案が一つだけあります。交通税の徴収ではない案が。
これはずっと後のこれから続くであろう鉄道の存続問題を語りつくした最後に発表してみたい。


そしてもう一つ:肥薩おれんじ鉄道 鹿児島県市町村振興協会が支援継続

>2023年度以降の5年間で、7億1900万円を上限に支援を継続していくことを決めました。

というが、実はコチラのほうが事態は深刻で、今回7億1900万円を上限に支援するのも
今回限りで以降、救済を求めて来られても一切応じませんよ、これっきりですというもの。
ということは債務超過になれば、肥薩おれんじ鉄道はオシマイということです。
「廃線になればバス転換があるじゃないか」というのも問題解決にはならなくて
高コストの鉄道が、”やや低コスト”のバスになったからって急に利用客が増えるわけでもない。
近い将来はジリ貧ですし、そもそもそのバスの運転手の確保すら難しいことを知っておいた方がいい。

これもまた深刻な、新幹線並行在来線の九州新幹線開業前から懸念されていたことであり
福井延伸による並行在来線、まだ開業もしていない「ハピライン福井」の存続が予想されていて
「どうすんの?」と。

このシリーズはまだ続けます、鉄道はどうしたって儲からない業態、その理由を書いてみたい。
その最後の最後で交通税ではないローカル線の支援策(私案)もね。m(_ _)m