はじめてのママ友Yとの家族ぐるみのお付き合いのはじまり。



Yの家での夕食に、家族でお呼ばれされてしまった。



夕食のお誘いは、(Yの旦那さんもいるから)やんわりと断っていたのだが、旦那さんが苦手だからとは言えないし、理由をつけて逃げるのも限界があった。




一度参加すれば義理を果たした事になるだろうとも思った。




玄関ではYの旦那がお出迎え。



「入りな、入りな~」って、笑顔だった。
チャラっぽい感じだが、笑顔は好意的で安心したのを覚えている。



硬派な見た目とは裏腹によく喋る人で、人見知りで無口な我が夫にもガンガン話しかけてくれてホッとした。



我が夫は人付き合いが苦手で、話をするにもしきっかけすらつかめないタイプ。外では途端に借りてきた猫状態になってしまう。きっと初対面の人は取っ付きにくい人に感じると思う。



チャラっぽさが残る硬派な若者と対照的な我が夫の気が合うはずもない、と思ったが、Yの旦那はそんなこと全く気にしていなかった。



それどころか、どこが良かったのか知らないが我が夫をパパ友と呼び、頻繁にお誘いがきて家族で遊びに出かけるようになったのでした。



押しの強い人かと思っていたけど、そんな事はなく、見た目より全然ソフト(笑)。



Yと同じく、何でも話して、よけいな見栄を張ったり気を使わなくて済むから楽な人だった。




休日には一緒に公園や動物園に出掛け、Yが仕事で居なくても、Yの旦那は子連れで我が家に遊びに来たりしていた。



Y家の車に乗り合わせ、泊まりがけで観光しながらの温泉旅行にも行った。



そんな付き合いが2年くらい続いた頃に、突然の別れが…。



Y家族が、北海道から愛知県へ引っ越す事になったのだ。



とび職をしていたYの旦那は、冬になると雪国では収入がガクッと下がる。



だから、冬になると単身で愛知県に出稼ぎに行ったりもしていたが、1年を通して安定的に収入が見込める地域に移住することになったのだ。



突然で、あまりにもショックだった。後にも先にも、こんなに親しくなるママ友には出会えそうもなかったから。



今までみたく頻繁には会えなくなったが、ひとまず専業主婦をしていたYが、しょっちゅう連絡をくれ、よく長電話をした。




予定を合わせてディズニー旅行にも何度か行った。



北海道と愛知から、それぞれ飛行機と自家用車で出向いて待ち合わせ、同じホテルに宿泊して3泊4日。本当に楽しい時間を過ごした。




Yが看護師に復職して忙しくなるにつれ、時間も合わず、だんだん電話の回数も減って、ここ数年は年賀状くらいのやり取りになっていた。




今年の年賀状で離婚した事を知って驚き、何があったのか、Yは元気にしているのか、すぐにでも電話したかったけど、あまりにも連絡をとっていなかったので、未だに電話できずにいる私。



興味本意に思われたくないし、離婚したばかりで大変な時かもしれない。




中高生の子供2人と、ワンコ3匹を1人で育てているのだから。



北海道に会いに行くからね。って書いてあったけど、ポジティブに暮らしているのだろうか。




もう少し時間が経ったらLINEでもしてみようか。




そして、Yの元旦那はどこへ行ったのだろう。




人見知りが酷い我が夫の唯一のパパ友。




もう会うこともないのだと思うと、妙にあの頃を思い出して、とても寂しく感じてしまうのでした。