ママ友の離婚その2のつづきです。
人生初のママ友Yとの出会い。
私は少し警戒していた。
Yの旦那さんが、見かけだけでいうと、相当苦手なタイプだったから。
明るい茶髪に、首には太めの金のネックレス。派手色の、とび職の人が着る裾が幅広のユニフォームを着て、筋肉質で背が高くガッチリとしたその旦那は、肩で風を切るような気だるい歩き方をしていた。
目が合ったらヤバい奴だ、これ
くち数少なく、ぶっきらぼうで、ケンカっ早い感じがした。
その妻も絶対ヤバいに違いない。そう決めつけていた(笑)。
でも、Yは明るく社交的。すぐに同室のみんなと打ち解けた感じに。
大人しく様子見している私にも頻繁に話しかけてきた。
その時は、同室の全員が初めての出産で、心配事など共通の話題があり、皆をうまく巻き込んであっという間に和気あいあいとした雰囲気に変えてくれた。
特に私とYは、ボケとツッコミを繰り返すコンビのような感じになっていった。
Yは、ネガティブな事も含めて、自分の身の上話を躊躇なく話すので、こちらも心を許して話してしまう。相手の話を聞くのもうまかった。
看護師をしていて、専門知識もあり考え方が真っ当だったのもポイントが高かった。
相変わらず彼女の旦那は苦手なままだったが、見た目硬派な旦那は、しっかり彼女の尻に敷かれていることもわかってきた。
スマホもない時代、私たちは朝から晩までお喋りに興じ、旦那や義父母の愚痴、病院食にうんざりで食べたい物の話、仕事の話。
とにかく何でも話しまくって笑いまくって、切迫早産という緊急事態にも関わらず、楽しいあっという間の入院生活になった。
メンバーの入れ替わりもあったけど、長く同室だった私とYとSの3人は、退院してそれぞれが出産した後も、子連れでお互いの家で集まった。
旦那が出張中のYの家で、乳児連れでお泊まり会までする仲になっていた。
そのうちYが、
「お互いの旦那も一緒に、夕食食べに集まろうよ」と言うようになり、断りきれずに家族で集まることになってしまった。
その頃には、彼女の旦那についての勝手な偏見はほぼ無くなっていたのだが。
旦那が焼いたというチーズケーキをご馳走になったり、簡単なお弁当を自分で作っているだとか、記念日には花束を忘れないとか、意外な一面が多々あった。
でもどう関わったらいいのか、全くわからないタイプに変わりはない(笑)。
つづく。