NIOROからBAMAKOに着いたその日。
宿泊した宿、メゾン・デ・ジェンヌに併設された音楽ステージから、激しい太鼓の音が聞こえてきた。


何気なーくステージを覗くと‥‥やってる、やってる!!


そして、いきなり見れた!!


コートジボワールからやって来たというこのグループ。



Go For  シルバーバック

真ん中にいるバラフォン(木琴)を中心に、

トーキンドラム、ジャンベ、ドンドンカンカン(現地の人曰く)の激しさに、見ている欧米人も完全に圧倒されていた。


わかるわ!


本物だも。



一番驚いたのが、バラフォンと呼ばれる"木琴"。


あの学校の音楽室にあったのと同類とは到底思えない程のやわらかい音。
しかも叩き手が激しすぎて、叩いている手が見えない。


写真左のトーキンドラムは音と音の隙間にガンガン入り込んでくるわ、
ジャンベはガンガン心臓に響くわで、音楽だけでも相当ぶっ飛んでるのに、

そこにアフリカンダンスって。


Go For  シルバーバック


このダンス、テンションが上がると人間の動きじゃなくなる。


動きのスピードもさることながら、動き自体がわけわからない。


"華麗"とか"美しい"とかじゃなくて、"生命力"とか"命の爆発"って表現のほうがしっくりくるかな。



おかげでずっと鳥肌。

演奏してる人、ダンスしてる人、みんなすげーいい笑顔。


あまりの凄さに押し込まれて、あれだけ警戒していた蚊に、初日から7箇所刺されてた。
マラリアどころじゃないわ。


最後にはガマンしきれなくなって、めちゃくちゃに踊ってしまうおっさん。




太鼓の音と興奮が残ってなかなか寝付けなかった、バマコの夜。



本物‥‥想像以上だわ。




マリ入国後最初に滞在したNIOROという町。


国境越えまで一人も外国人を見なかったところを見ると、
中央・西アフリカ地域が世界一旅行者が少ないとも言われるのも、いまのところ頷ける。


今回は、稀なモーリタニアからの陸路国境越えルートで、
その中でもさらにマイナーなモーリタニア東側からの国境越えルート、
この辺を抜ける場合のセオリーになっているキャンピングカーや自分の車ではなく、ローカルでの移動手段。
しかも、ダイレクト便ではなく、乗り継ぎ便。


今回通過したルートを地図上でたどると、NIOROは中継の町となり得る町ではあるが、
実際に行くと中継の町という感覚には微塵もならない場所に来てしまったというのが素直な感想。
そこで生活している人だけの為に、町の規模が少し大きくなったような場所で、
これこそ他所の国に無断でお邪魔してしまった感覚になる。


モーリタニアの各都市も"アフリカンがいる"という意味ではパンチ力はあったが、
少数のアラビア系の人たちの存在と、見た目的にもムスリム色が強かったおかげで、

ホッとできる瞬間はあった。


しかし、マリ共和国ってリアルに黒人さんだけの国なんですね。


バイタクの後ろに乗りながら見た公園で、本気のサッカーをしている身体能力感じさせるマリ人。
金のブレスレッドがやけに目立つ宿のオーナー。
気さくに英語で話しかけて来てくれたガーナ人。
学校帰りに手を叩きながら踊り、髪の毛ガンガン編みこんでる少女。
破けた服を着て、空気が抜けたサッカーボールを取り合う少年達。
壁が剥がれ落ちた家に、グニャングニャンの気の枝で支える家の屋根。



そして、バマコ行きのバスチケットを買いに行くまでにあることに気づいた。



ものすごい数の人が何にもしてないで、道路側に出されたイスに座ってる。
NIOROでは、その人数が多すぎて、道の両脇すべて人がたむろしているとしか思えなかった。


この環境がすべてミックスされた中、道を歩く時の緊張感といったら‥‥


中には気さくに声をかけてくれる人もいるが、ほとんどが見てるだけ。
時たま、なんともわかり易く、頭の先から足の先まで舐めるように見られることか。
大袈裟じゃなくて、ある人はポケットの膨らみを直視してたり。
ただ見てるだけだったから問題はないけど、アジア人が究極に目立つ。


とはいえ、ちょこっと寄った商店では、

早速ローカルなノリのいい音楽が音割れしながら大音量でガンガン流れていたり、
ミュージックコーナーではかなりレトロな"CD"ではなくカセットテープがズラリと並んでいたりで、
生活に欠かせない音楽が溶け込んでる様子も垣間見えたりした。

曲調も陽気なトロピカルな雰囲気で今後の旅、期待大。





Go For  シルバーバック


暗くなり、晩飯には、絶対遠出したくなかったので、

宿の目の前にある人気の屋台?にいったら大当たり!



そこで、煮込んでいた牛肉とモツの煮込みが、信じられないくらいうまかった。
まだカメラを出す勇気がなかったので、写真は撮れてないが、
いつもこの辺の人はこんなにうまいもん食っているのかと思うと、嫉妬するほどのうまさ。


さすがにモツが入ってたから相当迷ったけど、横の人ガンガン食ってるし、
人もひっきりなしの人気店だったから鮮度は大丈夫だろうとの判断が大正解。

後のマリで食った中でもダントツの一位間違いなし。



このエリアからマラリアを媒介するハマダラカがいるため、部屋にはしっかり蚊帳が装着。
その日は泥のように就寝。


そして、翌日早朝。


バス会社に行き、朝から騒がしいバス乗り場。


前日軽く挨拶を交わしたガーナ人と偶然再会。

(ちなみにガーナは英語圏だから英語ベラベラ)


おっさんが、アフリカを旅する私に力強くこんな忠告をしてくれた。


「アフリカではすべての事にお金が絡む。そして、夜の行動は行動せずホテルにいる事。
 君の荷物すべてに特別気をつけること、Extra be careful for everything」


肝に命じます。



とか言ってる横からガンガンモメてます。
何言ってるかわからないけど、青筋立ててモメてます。


警察来てもガンガンモメてます。
バス会社の人がシャウトしてます。


少し収まりの兆しが見えた頃に、一人一人名前を呼ばれてバスの中に吸い込まれていく。



Go For  シルバーバック


人だかりでなかなか名前が聞こえん。


ん?


「アキフー、アキフー、アキフー!!」


あっ!それ多分自分っすねー!


「ウィー ウィー!」


はい。あんまり僕に注目しないでね~ と、心で思いながらモメてる真ん中を掻き分け車内へ。



ボロボロに見えてもサウンドシステム搭載のバス。

マリの歌謡曲にしてはレゲイのようなあまりにトロピカルな音楽が流れている。

モーリタニアとはガラッと雰囲気が変わって、生活に音楽が溢れている。


道中、窓の外に見えたのは電気の通ってない村。

萱葺き屋根に泥で出来たような家、生活を支えているだろう家畜、臼に入れた何かを棒で突くシルエット。

水は井戸から。 これで服が腰巻だけなら‥縄文時代ですか!?


そんな村を何度も目にしたところを見ると、都市部以外は電気が通っていないのかもしれない。

パラボラアンテナがない村‥‥文明から切り離された、そういった村は1つや2つじゃないのが驚かされる。


バスは何度か停車すると、ものすごい数の物売りが窓の隙間から手を出してくる。

バマコ到着直前の停留所でたくさんの人が降りていった。


窓から自分の荷物が勝手に下ろされていないか見ていると、

何度か話しかけてきて流暢な英語を話すセネガル人が、


「一回バス降りて自分の荷物見といたほうがいいぜ!誰かか持ってくかもしれないからな!」


といって、セネガル人も降りて自分の荷物を見ていた。

これがここの日常。


ガーナ人の言葉は、旅行者にだけ当てはまるのではなく、この辺に住む一般の人たちにも同じ事なのだと実感。


ここが特殊なのか、日本が特殊なのか。


所変われば‥‥‥ってとこかな。




Go For  シルバーバック


最後のチェックポイントを通り過ぎ、日没前にバマコ到着。

最初の夜は、ムスリムアフリカンおっさん4人と僕のドミトリー。




荒野に取り残されたバスでの車中泊、そしてバス会社にあるゴザの上で夜を越した二日目の夜。


集りすぎるハエの音で目が覚めたAyoun el Atrasの朝。
表情少なめで、なかなか笑わない青年は、俺が起きるのを待っていてくれたようだ。
ギリギリのコミュニケーションで、マリに行きたい事を告げるとバスチケット売り場の

オフィスに連れて行ってくれた。


ここAyoun el Atrasも地図上で見る限り、中規模の町のように見えるが、
中央線もないようなメインの車道沿いにポツリポツリ商店がある程度に過ぎない小さな町。
モーリタニアからマリへ抜けるための重要な中継ポイントの町にしてはあまりに寂しすぎる。


改めて、モーリタニアという国は、現在の世界的な先進性とは無縁のような国に思える。
国土のわりにはあまりに少ない人口、小さめのフランスパン、野菜、肉、衣類、電話カードを売る街角。


娯楽品・嗜好品の販売が極端に少なく、
ほぼすべての商品は自国での生産ではなく、領土を争っている隣国モロッコ製品。
移動手段の選択肢が少なく、まとまったお金が集まるところといえばバス会社。
そして慢性的に不足しているお釣りが、二束三文の生活を想像させる。


なのに自国の通貨はある。


世界は広い。



さて、予想通りここでもマリ行きのバスが来るのは夜。
相変わらず、ヌアクショット朝発の便がすべての基準になっている。
しかも、当日は来ずに、聞いた翌日だという。


なんとかホテルは1件くらいはありそうだ。
だが、またもや、どの日に出発するにも夜。
今のモーリタニアは外国人にとって安心できる場所ではない。


ならば仕方ない。


バスと比較するとかなり値は張るが、提案のあった乗り合いタクシーにお願いすることに。
路上で売っているパンとトマトとチーズを買って簡単な朝飯を食ってタクシーを呼ぶ。


お~!これはタクシー占領して一人で優雅に国境越えか!?


なんて事はまずありえず、わざわざ乗客を待った挙句、
セダンタイプの乗り合いタクシーに詰め込まれたのは過去最高記録の9人!!


運転者含めて前列が3人。
僕の乗った後部座席は、子供含めて6人です。
もう肉がぶつかるとか、そんな次元ではなく骨と骨が擦れる感じ。


町を出るときのチェックポイントではしきりにパスポートチェックが行われる。
手が動かなくてパスポートも出せない。。


まず取り締まるなら、この殺人的に詰め込まれた車内なのでは?

もし存在するなら、この国の道路交通法が知りたい。


何度目かのチェックポイントを越え約2時間半、ついに国境の町に到着。
ここで国境を越えるための車に乗り換え、出発の時を待つ。


国境の町らしく、店と物売りがたくさんいて、割と賑やかだ。英語を話せる人もいる。
ちなみにこの町にも宿はない。

商店でウギアをセファーフランに両替し、入国準備もいい感じ。



さてマリ国境間近。


もうひと踏ん張りでシャワーが浴びられる‥‥


1時間ほど待たされて、車が埋まるだけの人が集まり、ついにマリへ向けて出発。



Go For  シルバーバック

               <なんとも緩い、モーリタニア側の出国iMMIGRATION>



国境の町から110Km。ぶっ放して1時間で周囲になんにもないとこに突然出現した、
家畜を飼っているモーリタニア側Immigrationに到着。


ドライバーが全員分のパスポートを集め、ものの10分で出国完了。




そして、出国後すぐに見えたマリのトロピカルな国旗。

何度体験しても、新しい国の国旗を目にすると興奮するものだわ。


Go For  シルバーバック

                  <コレでも入国審査室。入り口にハンモック付き>



またしても家畜を飼っている、ガランとしたImmigration。
ここでもファームを書かされるが、出ましたフランス語フォーム。

名前より先に性別からって‥‥


フランス語で男ってどう書くか迷っていたら、陽気な係員に股間を指差され「ホム!!」と言われ和やかにパス。
非常にルーズで陽気な国境越えになり、ついに20ヶ国目のマリ共和国に入国!!



国境を越えて最初に目指した町は、最初に地図に出てくるNIORO。

そのNIOROまでの道のり‥‥窓の外に目をやると、THEアフリカの大地。


大地と空の間に薄い雲のサンドイッチ。
地球が丸いとイメージできるような大地と空の間にある吹き抜けの空間。

詰め込まれた車からぼーっと外を眺めていると、自分がアフリカにいる実感がふつふつと湧いてくる。

その特に何にもないが、地球断面を感じられる景色に心打たれる。


疲れてたんかな?

わけもわからず普通の道でアフリカにいる実感から感動。



数時間後到着した、バマコ行きとNIORO行きの中継地点でポツリと車から降ろされる。
その瞬間から鋭い目で荷物を狙う少年。


近くにいた警察の誘導で、バイタクを捕まえNIOROの宿へ向かう。


超マイナーな町のNIOROはついに100%アフリカンの町。

バイタクに乗っててもあまりに浮きすぎたアジア人の姿は目立ちすぎて、視線が刺さる。
この熱視線は、今までのどの国のものよりも熱いまなざし。

バイクの後ろとはいえ、心臓がバックバクなのがよくわかる。
荷物持ってここを歩く勇気はまだ俺に持ち合わせていない。


ホテルに着いて、倒れこむようにベットに横になる。



ヌアクショットを出発して、Aleg近くの荒野で車中泊、Ayounのバス乗り場のゴザでさらに一泊、
乗り換えのハードルと重い荷物を持って、ロクに何言ってるかもわからず、

何度も乗り換えての移動にこれで一旦終止符が打たれた。

今回の移動は、今旅の移動でトップクラスの厳しさでした。



3日ぶりのベットとシャワーが気持ちよすぎる。



何はともあれやっときたぞ、Mama Africa!!








------------------------------------------------------------------------------


※ 一口メモ


<ここで突然、今回苦労したモーリタニアの両替事情>


■ヌアディブ

銀行のシステムは死んでおり、米ドルすらも交換できず。
町の商店にて、モロッコディラハムからウギア両替が可能でレート良し。
(ディラハムで支払い、ウギアでお釣りをもらう事も可)
また宿近くにいるおっさんに聞いても意外に両替可能だったりする。
国際キャッシュカード(PLUS)を使える銀行が一箇所だけあり。



■ヌアクショット

町に両替屋があるが、メイン通りでうろちょろしている、
アラブ系に少年のレートが交渉次第ではいい。
ここでも米ドルは弱く、両替に割と都合がいいのはモロッコ・ディラハム。
ユーロもそれほど悪くないが、町で一箇所だけ発見できたATMがやはり便利。
ちなみにセネガル・マリ等の共通通貨・セファーフランはほぼ両替できず。
現金の両替なら街角で粘り強い交渉がBetterだが、しっかり札を数える事。


■Ayoun el Atras

Western Unionの看板があった銀行ですら両替不可。
国際キャッシュカードが使えるATMはまずないでしょう。
ここまで来ると、ウギアとセファーフラン間の両替がメインで、町の商店で両替可。
レートもセファーフランとなら一般に言われている額(UM:CFA=3:5)で可能。


■国境の町

ここでも商店での両替可。
レートもUM:CFA=3:5で問題なし。
ドル&ユーロの強さは不明だが、ウギア~セファー間両替は非常にスムーズ。

結果的に、ATM引き出しとディラハム両替なら、ヌアディブ&ヌアクショットで。
ウギアからセファーフランならAyoun el Atrasか国境の町。
米ドル&ユーロは使わずに持っておくのがBetter。


※ 手持ちセファがなく、これからマリへ抜けるならヌアクショットで多めにウギアをおろして、

   国境近くの商店で両替も一案。


---------------------------------------------------------------------