「明日出る、明日出る」


宿の管理人であるボクンとそんなやり取りをすること3回目の7日早朝。
ついにバマコを出発した。


やっぱりバスチケットは事前に取らないとダメだとつくづく思う。

滞在を引き伸ばせるとは、なんて幸せな境遇。



同じタイミングでマリにジャンベ特訓をしに来ていたNAOYA君も日本へ向けて出発。
なんと3ヶ月現地"滞在"、というか"住んでた"。 旅とはまた違う見え方があると思う。
共通の現地知り合いができただけでなく、音楽を通し、音楽を越えた語らいの時間、共有に感謝。


"今回知り合ったマリ人を日本に呼んで、みんなに肌で彼らの音楽を感じてもらいたい"


そんな夢も持った。



パスポートを確認すると、12月7日に入国してちょうど丸1ヶ月。
久々になんとも名残惜しい気持ちだろうか。
それだけ、素晴しい体験、難しい出来事があり、深みある時間だった。

最後には町を歩いてると、知らない物売りの少年が「セイドゥートラオレ!」とフルネームで呼ばれるまでに。


考える事、考えなければならない事、その事に対して、どう行動すべきか?
多くの迷いの中で、自分なりの答えを選んでの1ヶ月。


いつも決めてる事。


『好きな場所を去るときは、まだ居たいと思えているうちに』


居心地が良いからと言って、ダラダラそこに滞在していると、次進む力を失うだけでなく、
せっかくの良い経験・記憶が屈折してしまう。


いつかは引かなきゃいけない線ならば、良い時に。



朝4時までNAOYA君の部屋に居座り、眠さの限界に達した頃、バックパックを背負いまだ暗い街を歩く。

眠っているタクシーの運ちゃんを起こし、今回乗ることになっているGANA Transportのオフィスへ。

出発の1時間前に到着し、バスを待ってる間に転寝。

5:30の出発寸前に慌てて気づいたスタッフが起こしてくれ、なんとか乗車。

さらに30分後に乗り換えをして、ここからダイレクトのダカールLoad。

このダカールまでの道のりがまさにダカールラリー。

なんてったって遠い。


冷房がなく、横窓が開かない今回のバスは灼熱の車内だったが、あまりの眠さに爆睡。
睡眠にはどうしても勝てん。

ちょいちょい高い不快指数に限界を感じ、目を覚ます事もあったが、
途中のお祈り休憩を挟み、夕暮れ時に国境らしきポイントに到着。


パスポートをイカツイ警官に預け、スタンプが押された後に、一人一人名前を呼ばれる。

ジッと待っていると、驚きの一声が!



「セイドゥ・トラオレ~!」



えっ!ウソでしょ!?


マリ名で呼ばれてんの!?


ここまで浸透したんすか!?



ビクンと反応してしまう私。


すると、後ろから出てきたセイドゥ・トラオレ青年。


なんと! 席が隣の奴でしょ!!


なんたる偶然。


MALIラストで運命的なサプライズをいただきました。


絶対また来たいわ。



そんなこんなでバスは進み、ついに1月7日未明、セネガル入国。
なんとも質素な出国管理室だったことか。


そこで初めて出会ったチャド人。
陽気なこやつ、驚く無かれ、
チャドの現地語、フランス語、英語、スペイン語、アラビア語までいけてしまう男。


その隣にいたデカイあんちゃんも5ヶ国語を自在に操る。
英語もめちゃくちゃ流暢。

今の世界基準は一体どうなってんだ‥‥


ここからさらに一気にダカールを目指す。

シートに密着しているケツ裏と腿裏の血流が悪く、足がむくれて、痺れてくる。
さらにおなじみシートに染み付いた汗のニオイがTシャツに洩れなく移動。



途中、窓の外を見ると、最近お気に入り、バオバブの木。幹が異常に太いバオバブ。

その根の張り方と、意外にいろんな生え方、形になっているのにビックリ。
バオバブで有名なマダガスカルに、いつか行ってみたいな~なんて考えながら、また進む。


バス会社の人が24時間で着くと言っていた時間はあっさり越え、ひたすら進む。

そろそろケツニキビになりかねないと、懸念が大きくなった頃、
ダカールからガンビアへの中継になるカオラックという町に到着し、ボロボロのバスに乗り換え。


バスから降りた瞬間の「シノワ、シノワ」攻撃に、この時ばかりはガマンがならない。
そして、ついに14:30頃ダカールのよくわからない場所に到着。

7日/早朝5:30出発 ~ 8日/14:30頃到着。


今回の所要時間、ざっと33時間


バス移動では、今旅最長。

気がつけば、、移動の連続からか、パンツのケツ部分が擦れすぎて穴開いてた。


こんなん続けてたら、エコノミー症候群になりかねない。。
とはいえ地元の人達にとっては普通で、これしかないと思うと‥厳しいとこだわ。


バスを降りると、何かと気にしてくれるおっちゃんに助けてもらいタクシーを捕まえる。

長距離バスに乗ると必ず数人と仲良くなれる。
必ず誰かが興味を示してくれて、話しかけてくれ、その延長で手助けしてくれる。

周りの人を見ても、バスを降りる頃には、新たな知り合いが出来上がっている。
一般に先進国と呼ばれる国では、こういう光景は極端に減る。


なぜだか‥‥わかるかな?



仲良くなったチャド人、マリ人、

そして陽気で世話を焼いてくれるおっちゃんにお礼と挨拶を交わし、一路ダカールの宿へ。



何はともあれ、来たぞセネガル!



西の果てダカール!






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     年齢を超えて、ジャンベで繋がる世代


     最後は、この笑顔に辿りつければ最高




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  10億人の人々


                    共通の言葉


        Football !!




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    左斜線は車、中央はバイク、右斜線はラクダ




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 太くどっしり根を張るバオバブのように





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   このアジア人、LALAの目にどう映ったのかな?




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これから何が始まるか……想像しただけで興奮する。



空気を突き抜けて届く振動には、

          ダイレクトなコミュニケーションがある。


       フェイクは通用しない。


 その熱く激しい鼓動が、人を次々と呼びつける。


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心臓に残るジャンベの音。


リズムが上がれば、その鼓動も速くなる。


音に正直に、受けた振動をそのまま表現している姿が印象的だった。


見た目がどうとか、形がどうとかは置いといて、どれだけその喜びが表に出ているか。

その人の感情が見たままわかる、
受身になれない、ストレートなアフリカン女性の表現の仕方がとても新鮮だった。


Babaがこんなことを言っていた。


「BAMAKOには音楽がたくさんある。だから安全で、問題ない。」


危険を感じる事などなく、夜のマーケットすら歩ける。



効率と生産性を追い求め、メリット・デメリットに囚われていては、

彼らとわかり合うことはできない。


彼らが全力でかき鳴らす、生命の鼓動の前で、簡単に自分を見失うだろう。



旅で出会った、ある年配の人の言葉を思い出した。


「心臓が動いてるだけだと、生きてるって言わねーんだよ」




日常のどこかに鼓動を


歓喜のリズムを





BABAとの最後の日。


今まで教えてもらったリズムを練習小屋で一緒に叩く。
時折頷きながら叩く彼の姿が横目に入り、この時間を忘れないようにと集中し頭に記憶した。


この日で約束のレッスンは終了。
結婚式の時は練習らしい練習はなかったので、実質約10日間×1時間、
BABAに教わって、マリの曲を叩いていた。


成果は……合計10時間そこそこでは、劇的な進歩などあるはずもない。
それはBABAのマメだらけで石のように硬くなっている手の平が証明している。


ただ、良質な音を継続的に聞けた事で、耳は良くなったと思う。
少しずつ進歩しているのがわかるのも喜びだったし、
今まで意識したこともなかったマリという国で、マリ人と一緒に太鼓を叩いているのが、
不思議で、なんとも表現しがたいワクワクした気持ちになった。


さらに結婚式やセレモニーにも連れて行ってもらい、準備段階から終わりまで
グリオのメンバーと行動させてもらえるなんてのは、なかなか経験し難いものだったと思う。


メンバーにも気さくに声をかけてもらい、不安や孤独とは無縁の最高すぎる時間だった。


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学びという点ではBABA自身から学んだ事が多い。


バンバラ語とフランス語のBABAと、日本語と英語のセイドゥー。
お互い共通でわかりあえる単語なんて10個あるかないか。


もちろん何言ってるかわかるために苦労した事の方が多いが、
でも何を言おうとしているかが、段々わかってくるのが不思議だった。


本気で相手と向かい合えば、言葉の壁は案外軽く越えられるのかもしれない。


"何を核として言いたいのか?"


そこに焦点は当てられ、余計に味付けされず、伝えたい事をストレートに伝えあえた気がした。



BABAとニジェール川を眺めながら、笑いながら地元の手作りチャパロー(ビール)を飲んで、
コミュニケーションが取れたように思えたあの瞬間は、なんとも忘れられない。

もちろん、あの炭酸のない地元のビールの味も。


一人のマリ人と継続的に付き合えた事で、
マリという国の文化や風習、生活環境、金銭感覚、共有意識などに触れる事ができた。


特に苦戦したのがお金の問題。


伝統伝達者のグリオなのにみんな揃って金がなさ過ぎる。
何か不測の事態があれば、もちろん金がいる。
銀行のカード、クレジットカードなんて誰一人持っているわけなどないので、

そんな時は、ある人から借りるしかない。

そうやって、金の貸し借りは日常茶飯事に行われる。


彼らの感覚だと、仲間ならばとにかく貸すという感覚。
俺の感覚だと、関係を崩したくないから貸したくないという感覚。


この考え方が決定的に違った。



考え方を変えれば、これも彼らの中での共有意識の一つなのかもしれない。


ある結婚式の時、タライに盛られたご飯が振舞われた。
その時、そのご飯とは逆方向に歩くおれに、あるママさんが怒ってきた。


「どこ行くの!? ご飯はみんなで食べなきゃだめよ!!」


とにかく、みんなでシェアしていくのが自然。

食事も、お金も、時間も、問題も、喜びも。


そこに住む人と継続的に行動し、共有して感じることは多い。
ガイドブックの範囲をはるかに超えた時間だった。



何か一つのことを始めたら、そこから一気に世界が広がる。


ジャンベを習うという一つの入り口から、人との出会いを通して、
西アフリカの目的だった音楽とカルチャーに触れる機会に恵まれ、どんどん世界観が広がる。



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マリをアフリカを、体験し体感する、その流れが掴めたかな。



最高の時間に感謝!!



アカイン!