【第4回再放送】が終わって市販された、

特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]

の作品から抽出しました。

市販品なので、

(あらすじ)などストーリーの本質にかかわるところは伏せ、

スタッフやキャスト、また(備考)・(ネタバレしない範囲での一般的感想のみ

にとどめます。

将来、東映chなどで、一般的視聴されるようになったら書き加えていく予定です。

 

※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。

 

 

 

☆・・・#118  ながれ

特別機動捜査隊(第118回)ながれ

 

 

 

 

(収録DVD)・・・VoL1、disc1、2020年12月2日発売

(本放送)・・・1964年1月29日

(脚本)・・・村田武雄

(監督)・・・大岡紀

(協力)・・・警視庁

(協賛)・・・無し

(劇中ナレーター)・・・島宇志夫

(捜査担当・オープニング表記)・・・立石班

西本捜一主任(鈴木志郎)、橘部長刑事(南川直)、荒牧刑事(岩上瑛)、

桃井刑事(轟謙二)、岩井田刑事(滝川潤)、立石主任(波島進)

 

(出演者・オープニング表記)

・・・配役名表記無し

成瀬麗子、旗和子、今村軍兵、金平軍之助、渡眞二、綾川香、伊藤惣一、石垣守一、

名川貞郎、五月女道子、木川哲也、伊藤芳子、内藤綱男、大川温子、八乃さとみ、

志摩栄、城健太郎、上代眞也、西川裕美、木村修、長崎琢、木内淑介、横溝和夫、

權田計吉、幾野道子、山口勇

 

 

(あらすじ・予告篇から)

・・・ ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています。

 

(宴会で、複数の客や芸者が集まる中、芸者・小春が唄と踊りを披露する場面)

小春 ♪一山 二山 三山 越え  ヨイヨイ
   ♪ 奥の〇〇〇(註・聞きとれず)咲いたる ・・・

併せて踊り出す客と芸者。

・・・(ナレーションに戻る)

売れっ子芸者・小春が、ある夜、何者かに殺害された!

怨恨か?

愛情のもつれか?

小春を巡る数人の男が、捜査線上に浮かびあがった。

白か・・・!? 黒か・・・!?

特捜隊・立石班の、必死の捜査が続けられた。

華やかな花街の、若い命を散らせた薄幸の芸者・小春・・・。

次週、「ながれ」に、ご期待ください。

 

 

(備考)・・・

・当作は【第1回再放送】されたが、そこでの欠番は、#002-#117、#135、#146、#180、#195、#198、#202、#203、#211、であった。つまり、【第1回再放送】での東映ch視聴者は、#001 最後の犯人(ホシ)を追え【スペシャルセレクション】 の直後に当作を視聴したことになる。

・当作時点では、西本捜一係長は西本捜一主任となっている。いつ昇格したのかは、以後の作品経過をみなくてはならない。

・また、橘部長刑事も、wikiで「24話以降部長刑事に昇格」とあるものの、#002-#117が欠番のため、映像での確認は現状では不可。

・その点では、#001 最後の犯人(ホシ)を追え【スペシャルセレクション】 で警官を演じた岩上瑛がいつ荒牧刑事としてレギュラーとなったのか、岩井田刑事を演じる滝川潤がいつレギュラーとなったのか、あるいは前述の西本捜一主任がいつレギュラーになったのかも、映像での確認は現状では不可。

・後年、鑑察医を演じる仲原新二が同役で出演しているが、この俳優名はオープニング表記されていない。クレジット漏れか、当時は別名で俳優業をしていたか、いずれかと思われる。

・実見して、配役名、俳優名、顔が一致するのが、綾川香(後の香取刑事とは別役)、幾野道子だけだったため、以下では「配役名(俳優名)」の表記を省略する。

・劇中で小春が歌う唄は、九州炭坑節(福岡県)である。

・劇中舞台は、岡本かの子の文学碑が登場するところから、現在の東急田園都市線・二子新地駅周辺の多摩川沿い(神奈川県側)。当時は、花街「二子三業地」と呼ばれ、比較映像としては、動画で挙げられている「花街ノスタルジア・神奈川県・二子新地 遊里跡を歩く。」が参考になる。

・なお、この当時は東京・横浜バイバス246号線が無いのが確認でき、全面開通は特捜隊本放送終了後の1980年まで待たなくてはならない(註・新二子橋のみは1974年に竣工している)。

・所轄の中津署は、実在する高津署と中原署を組合わせたものと推察.

・劇中では「絞殺」と発声しているため、以下本文でも同様に書いたが、正確には「扼殺」と発声すべき事案ではある。

・劇中での「転ぶ」とは、くるわことばで「芸も無く、客と寝る専門の芸者」の意。

・白タクは無許可でタクシー営業する車両のこと。当作本放送時点では「タクシー業務適正化特別措置法」が制定されておらず、「法律的には犯罪として扱えないが、道徳的に違法である」、という風潮と推察される。

 

 

(視聴録)・・・開始約分半まで

(ネタバレしない範囲での一般的感想)

当作は(備考)で触れたように、再放送では#001 最後の犯人(ホシ)を追え【スペシャルセレクション】 (便宜上、以下前作と表記)の直後に観賞された方が多いと思われます。前作では、後年からの比較として、ストーリーに劇的なドラマ性が見当たらないことが気になりました。これは、「特捜隊の「個性」でもある辻褄が合わない、飛び道具的展開がみえること」よりも気になったところで、いわゆる「人」よりも「事件」を描いた作品と評価される所以でもありました。

ところが、当作では「ストーリーに劇的なドラマ性」を付加しており、いわゆる誰が犯人かという謎解きにも軸足を置いた作品で、けっこう面白く観れました。#002-#117、が欠番なのでそこいらへんの事情というか路線変更はわかりませんが、前作=1961年10月11日本放送、当作=1964年1月29日、の2年強の間に何があったのか興味があります。

 

日本橋馬喰町での3人組の強盗傷害事件を話している立石班に、世田谷区鎌田町の読売飛行場付近の多摩川沿いで、女の変死体の発見の報が入り、直ちに現場に向かいます。検証の結果、被害者は芸者風の女、和服姿で絞殺による窒息死、死亡推定時刻は昨夜11時前後、時計・指輪等の所持品が見当たらず、自動車がUターンしたタイヤ跡が残されていました。また、万作商店店員の証言で、被害者は神奈川県側の芸者・小春ということがわかり、所轄の中津署刑事・浜村、鈴木と協力して川崎市二子町の二子花街周辺を聞きこみます。

そこからさまざまな人物が登場するのですが

 

〇芸者置屋・藤乃家の女将

〇芸者置屋・藤乃家の芸者=珠子(タマコ)

〇料亭・浜川の女中

〇浜川にいた芸者置屋・一乃家の芸者=梅奴

〇浜川の来訪客の材木商=川上

〇おでん屋・若葉の女将

〇おでん屋・若葉の女将の夫=勘蔵

〇その夫婦の仲人のうなぎ屋店主(世田谷区東太子堂)

〇メッキ工場の若社長=成田

〇小春の住む春日荘の女住人

〇メッキ会社社長と懇意の暴力団員=森山

〇川上のいた旅館女中=加代

〇旅館近くのおでん屋台・店主

〇白タクの運転手=孝太郎

〇その父親の栄喜堂店主

〇その父親の後妻

 

と多岐に亘り、誰が犯人なのがエンディングまでわかりません。これは、放送時間が51分強あったため、後年45分強に縮められ生じた「時間の壁」の制約を受けることなく展開します。

 

さらに、図解により時刻経過もまとめられ、いわゆる小春の行動に対する各人のアリバイも明確になり、前述した謎解きに一役買います。

ストーリーの劇的なドラマ性も考えられており、その昔、自身の幼年期のときに流行った、「牛の鳴き声」「空を泳ぐ昆虫」の引っ掛け問題に似たテクニックを用いるなど、思わず膝を叩くほどの出来であります。

この作品については、以前シャザーンさんが

>このドラマらしいオーソドックスな佳作。

>基本を認識していただくという意味では持って来いの回。

評しておりましたが、まさにドンピシャの面白い作品でした。

もちろん、"特捜隊の「個性」でもある辻褄が合わない、飛び道具的展開がみえること"は避けられないのですが、これが短所にみえないほどであります。DVD-BOXとはなりますが、一見の価値ありの作品だと思います。

ちなみに、エンディングの音楽とともに、スタッフ名をみてみると、そこには「助監督・北村秀敏」の表記がありました。後年特捜隊での北村秀敏監督の活躍を考えると、手法は助監督時代に養われたのかも? とも考えます。

 

さて出演者については、ネット検索すると、成瀬麗子=故・野沢那智の夫人、と出てくるだけで画像もありません。たぶん、小春を演じた女優さんのことだとは思いますが、現状ではなんともいえません。個人的に、#496 闇の中 に出演した赤座美代子に雰囲気が似ていたので、気になっただけなのですが。。。

テレビドラマデータベースだと、特捜隊の特別機動捜査隊(第154回~第155回)東京0米地帯 前編・後編 に出演とあり、【第1回再放送】で欠番は免れているからこれで確認出来ると思いきや、スペシャルセレクションVoL1.-4では収録されておらず現状では比較不能で、このままだと確認は困難です。これを考えると、配役名が無い作品というのも考えものかな、とも。。。

(追加)R4.6.9

芸者置屋・藤乃家の女将を演じた女優が、旗和子と判明したので付加する。