巫(かんなぎ)の林 紗妃です。
ただいま十日えびすのレポートを連載中です。
○前回までの記事
昇殿参拝が終わり、その名も「開運殿」とこれまたおめでたい名前のついたお座敷の会場で直会です。
座った席は、目の前にドでかい福寄せの熊手に小槌におしゃもじと、縁起物尽くしのありがたい光景。
…が、どれも肩に担がねばならないほどの特大サイズ。
持ち帰るにはたいそう目立ち、持ち帰れば置き場を確保するにも難儀です。
とくに熊手は、今年一年あのカオ2つと家で過ごさねばならんのかと思うと、正直コワイ。
他にも「福起こし」とかあるけど、カオ付きはカンベンしてほしい。
曲がりなりにもありがたい縁起物を前に、「どれも福引で当たったら困るな…」と、まあまあ罰当たりなことを考えていました。
直会膳では、おまんじゅうとお抹茶、茄子のお漬物が折敷に配され、あとから二枚貝のお吸い物が配られます。
お吸い物を待つ間、進行役の世話人の方に話しかけられて、少し話を伺う機会がありました。
(始まる前に「初参加の人は?」と聞かれて挙手したため、顔を覚えられていたのです)
なんでも、開運御座のために毎年千葉から来られる方もおられるのだとか。
飛行機を使えば来られるとはいえ、情熱のかけ方が違うなあと思いました。
直会膳が終わると、いよいよお待ちかねの福引き。
くじ引き役がくじを引き、進行役が大きな声で「大当たり〜」と言いながら、当たった縁起物を告げます。
それを聞いた巫女さんが縁起物をリレー形式で席まで運んで、手渡してくれる…という寸法です。
ドキドキしながら自分の番を待ちます。
頼む、米俵が来てほしい。
いっそ何でもいいから顔付きだけて、とくに福起こしとかはヤメテ、あと巨大なのもご容赦を…!
なかなか厚かましい願掛けをしていると、いよいよ二人がやってきます。
ガラガラ…ドンッ!
大当たり〜
ますます繁盛〜!
や、やったーーー!!!!
規定サイズではないものの、枡2つ分のサイズで「ますます」と掛けています。
木の枡に縁起物がたくさん詰め込まれた縁起物!
ハデだけど(ぉぃ)部屋のインテリアから浮かないし、置き場所にも困らないやつー!
なにより、
米俵も入ってるー!!!
まさにイメージ通り…いえ、金とはさすがに思いませんでしたが…めちゃくちゃ嬉しかったです。
福引きの縁起物は沢山あるのです。
飾られている小槌・熊手・ おしゃもじはサイズ違いでも用意されていますし、福起こしにお神酒にカレンダー、その他の置物が数種類。
当たる確率を考えると、わりとピンポイントのような気もします。
ハズレなしの福引きですが、私にとっては今年一年で幸先のいい大当たりを引けたのでした。
えべっさん、お家事情と私の感情を汲んでくれてありがとうううう…!
もっとも、前日の話を聞いていたTさん曰く「まあ引くんだろうなとは思っていたけどね」だそうですが。
となりの福笹も授与品の一つです。
そんなTさんが引いたのは、会場で飾られていたより小ぶりのおしゃもじ。
こちらは程よいサイズ感で、壁にかけられるように紐がついている親切設計です。
「一斗二升五合」でご商売ますます繁盛と読みます。
考えた人、アタマいいなー!
それともよほどの酒豪かヒマだったのか…
席の端に私とTさんと、あとお一方が並んでいたのですが、あちらもまあまあな縁起物を引き当てていたので、密かに二人で「3人揃って大当たりだ…!」と話してもいました。
ちなみにTさんは、ご自分で商売をされているわけではありませんが、これまで小槌が2回当たったりと、まあまあな引きをされています。
御本人にも話しましたが、思うに彼女自身が福を振りまく役目を担っており、それが「ご商売」で、今年は「ますます繁盛」と加速されていくのかな、と感じました。
彼女自身、福を呼び込む強みがあるので、まさにピッタリ!
神さまのお使いもいろいろ、です。