こんばんは。巫(かんなぎ) 紗妃です。
 
ちょっと時間が経っちゃったんですが、十日戎のときに訪れた太宰府のお話。
 
 
この日は日曜日。
えべっさんはあまりに人が多くて、福笹を持ってウロウロするのも微妙だったので、また時間を改めることにしました。
 
 
なぜか脳裏に「梅ヶ枝餅」と浮かびます。
梅ヶ枝餅といえば、太宰府天満宮。
 

食べろってことかなっ☆
 

太宰府天満宮に行ったのは、およそこんな軽率な理由からでした。

 
昼過ぎは雪がすごかった。
そして、人も多かった。
 
マスクをしていなければ、コロナの影響がまだ続いているのを忘れていたかもしれません。
 
梅ヶ枝餅屋さんはどこも並んでいたので、先に参拝することにしました。
 
 
境内の池も凍っていました。
あらためて、九州の冬の威力を実感。
 
 
降りしきる雪の中、そこそこ長い参道を歩いて拝殿までやってきましたが、こちらも長蛇の列。
 
 
…。
 
え、私、この極寒の中で並ばなきゃダメ?
降りつもる雪とともに深く埋もれなきゃダメ?

 
げんなりしていると、声が降ってきました。
 
 
「裏の裏の裏」
 
 
この一言だけ。
 
 
正直「はぁ?」と思いましたが、こんな時はたいていそこに来いという意味です。
 
 
拝殿の裏は、道真さんゆかりの方たちが祀られている摂社末社があります。
 
更に境内は広がっていて、小さな茶屋などもありますが、コロナの影響か全て閉店していました。
 
 
土地勘もなく、天満宮の賑わいから遠ざかり、ちょっと心細くなったところで地図を発見。
 
 たぶん、ここだな。
 
 
天海稲荷神社。
 
「裏の裏」です。

 
「じゃあ更にウラって何やねん」と思いながら登ると、これもあっさり答えが見つかりました。

 
上がってすぐ、目に飛び込んできたのは「奥の院」

ここまでの登りもキツかったのに、また上がるのか…と身構えましたが、予想と違ってゆるやかでした。
 
 
太宰府本殿の裏の、

摂末社の裏の、

天開稲荷の裏。


確かに「裏の裏の裏」です。


「裏」って出しすぎてゲシュタルト崩壊ぎみですが、とにかくこの小さな祠が目的地。
電気を引いて明るくしているのが、とても親切(笑)
 
 
中に入って手を合わせると、しゃがれた女性の声が話しかけてきました。
 
神さまかと思いましたが、どうやらお稲荷さんに仕える巫女のようです。

なんでわかったかというと、言うことがやれ「神にお仕えすることに誇りを」だの「敬う心が云々」だの、とにかく説教くさい。


祠は低いので、しゃがまなくてはいけません。
私は体が硬いので、かかとが浮くのです。
その結果、姿勢を維持しようとすると脚がプルプルするのです。


「神さまにお仕えする」のは、ある意味誇りある役目なのかもしれません。


…が、


正直、

うざいわ。


寒い中、遠路はるばるやって来て、腿をプルプルさせながら話を聞けと?
神さまに仕えた覚えもないし我、神に呼ばれし者ぞ?


ばーさまのたれるご高説を聞きに来たんじゃありませんので、早々に黙らせてお静かに願い、改めて脚をプルプルさせながら手を合わせました。


肝心の神さまは気配はしたものの、姫神ということがわかっただけで、話はできず。


バーさん黙らせたのがアカンかったんかな。
それとも脚プルプルしてたんがアカンかったんか。


※後日「辛そうだったので声を掛けづらかった」という、親切なお返事をいただきました。

 
境内に降りてご由緒書きを読むと、ここのお稲荷さんは鎌倉時代に、京都の伏見から勧請されたようです。

宇迦御魂(うかのみたま)ともいいます。
 
 
そして、大変お恥ずかしいことに、私はここで初めて
 
お稲荷さんは「スサノオの子」と知りました。
 
 
新年早々、自分の無知っぷりにビックリしたよ!
やっぱり古事記をイチから読まないとダメかもしれない。
 

今まで神社に行くとたいていお稲荷さんの社にもご挨拶していたのは、その関係もあったのかも…。

いつも世話になってるのにこの体たらく。
ごめん、スサ。
大好きだから許して?


行きは降りてくる人がいたものの、境内にいる間は私一人だけ。
帰りがけになって、やっと登ってくる人とすれ違い。


お稲荷さんの計らいで、いる間は一人の時間を頂いていたのだなぁと知りました。


降りる途中、道の脇の梅の枝に服が引っかかります。
うっすら色づいた蕾を見ると「花が咲く頃に」ということなんでしょう。

どうやら、2月も太宰府に来ることになりそうです。

 

帰りは道真さんに軽くご挨拶して、とっとと退散。

ほしいのは神様の御加護より甘いもの!


祠のばあさまが聞いたら「不敬じゃ!」って卒倒するのかな…。

 
その後、梅ヶ枝餅もしっかり食べました。


それにしても「裏の裏の裏」なんて、まどろっこしいこと言うなあと思ったけど、父親であるスサの遊び心も継いでいるのか…


もとい、神さまはオチャメな一面もありますので、遊んでくれたのかもしれません。
うん、そういうことにしとこう。楽しかったし。


「食べ物につられて」行ったのも、正解だったのでしょう。

お稲荷さんは「御食津神(みけつかみ)」
文字どおり「食べ物」を司る神さまでもあるので。