生まれ出てくる製品達のお産婆さん……?! | シルクふぁみりぃブログ

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どうぞ、よろしくお願い致します。

 

まだ5月だと言うのに、奈良では今日気温が30℃を超えています。

 

年上の友人たちと話すと、

「子供の頃は真夏でも30℃を超える日は数日だったよね!」

って感じです。

 

気候異変はどのへんから来ているのか?

地球はどうなっていくのか?

(まぁ、私が考えても何も変わりませんネ……。)

 

ところで、先日メルマガ後記でも書かせていただいたことがあります。

私は生まれ出てこようとする製品達のお産婆さんをしているつもりなんです。

 

製品って、みんなで考えに考えて、こうでもないああでもないとミーティングをして作るって思われているかと思います。

 

たまにそんな製品もあります。

でも、勝手に生まれでてくる製品もあるのです。

その場合は、私はお産婆さんに徹するのです。

 

そんな製品はお客様に、とっても喜ばれて人気商品になったり致します。

 

例えば諏訪繭腹巻です。

長野県の諏訪地方にある宮坂製糸所は、富岡製糸場と並んで国から指定されて残されたシルクの製糸所になります。

 

 

何かの用事の帰りに夫が立ち寄り、絹を1束購入して参りました。

右上矢印最初は、この形で糸を購入してきたのです。

どうも、妻がシルクのことをしていると話したようです。

 

でも、彼が持ち帰ったシルクは、セリシンが付いたままのバリバリの糸なのです。

今は富岡製糸場が世界遺産に登録されて、国産の絹糸が引っ張りだこですが、当時は国産の絹が大変だったようです。

(同じシルクなのに、中国が半額以下でしたから!)

 

太めの釣り糸みたいにバリバリ糸なので何も作れなくて、このセリシンを落としてくださいとお願いしました。

でも、宮坂社長さんは、このバリバリの糸のままで何かを作って販売してくださいと言われます。

 

彼曰く右下矢印

 

「セリシンを落とすと、中国からも入ってくる普通の絹と変わらなくなるのです。

 このままで何か作ることを考えてください!」

 

「……どこの工場も、この糸は編めないって言われるんです。

 でも、もう一度頼んで回りますね!」

 

私は、また工場へ行きました。

どこを回っても、言われることは同じでした。

 

「こんなん編んだら針が折れるで!」

「こんな糸アカン!」

「編みやすく巻いてくれないと、カセ束で来たら困るねん!」

 

難題が山積み過ぎて、製品化は絶対ムリって感じでした。

それがオセロの黒が一気に白に変わる感覚で状況が変わったのです。

 

最後の工場の社長が言ってくださいました。

 

「誰も編みたないってモンを編むのがワシのやり方やねん!

 桐生さん、その糸もっと持ってきてやぁ!」

 

「いえ!もう断ってくださいよ!

 ここが断ってくれたら、私は努力は尽くしたので大手を振ってお断りできるんです」

 

でも、彼はめげずに言って下さるのです。

 

「細い筒型やったら、ゆっくり回る古い機械があるから編める!」

 

宮坂さんにお電話でお伝えしました。

 

「何とか細い筒を編んでもらえそうですけど、機械にかけられる

 ように巻いてくれないと!って言われています。

 巻いてくれるとこ無いですよね!」

 

「豊川に、手巻きの感じですけど、巻き作業してくれるおじいさんがいてはります」

 

そこへカセ束になっている糸を送って、巻いてもらいました。

そのおじいちゃまのところへも、数年後にお礼を兼ねて行って参りました。

当時のブログです。

 

諏訪繭の出だしの頃のブログは、アメーバブログではなく、その前のブログでした。

(そちらは娘の手違いで全部消えてしまって残念です……。)

 

諏訪繭の里へ行ったブログはこちらです。

 

右上矢印この方は、テレビ東京で「コレつくったの私です」に出演してくださったおばあちゃんです。

今回昔のブログを探していて気づきました。

彼女、こんなところにも登場してくださっていたのですね!!

 

グルグル木の糸巻きに巻かれる諏訪繭糸です。

 

右上矢印絹糸の「カセ束」はこの形なんです。

 

結局、細くて長〜い筒がドサッと編み上がってきました。

ここからがスゴイのです。

 

何になるかさえ決まらないまま縫製工場へ持って行きました。

そこの社長さんに、長く編み上げた筒を渡しながら聞きました。

 

「これ、何になるかなぁ?」

 

彼は、何か思いついたように笑って言ってくれたのです。

 

「よっしゃ、ワシが何か作ったるわ!」

 

彼は、細い筒を適当な長さにカットして、開いて2枚重ねて両端を縫ってくれたのです。

諏訪繭腹巻が生まれた瞬間でした。

 

何度も生まれてくるジャマをしそうになりながら、最低限動いた私でした。

周りの優しい職人気質の社長さんたちのお陰で出来上がったのです。

 

右下矢印こちらですが、今もザクザクした腹巻です。

 

「こんなヘンな腹巻、売れるのんかなぁ??」

 

もちろん最初はあまり出ませんでした。

でも、使った人に色々な奇跡が起こるのです。

 

手術後に患部に溜まるリンパ液を抜きに病院へ行っていた人が大丈夫になったり。

病的な肩こりが軽くなったり、不妊の方にハッピーが訪れるのが重なったりのメールです。

その他たくさんのメールをいただいてビックリしました。

 

勝手に生まれてきてくれた!!

そうとしか思えない諏訪繭です。

今、改めてお世話になった皆さんと諏訪繭さんにありがとうってお礼を言いたいです。

諏訪繭腹巻はテレビ東京の番組にもなっています。

その画像はこちらのブログでもご覧いただけます。

 

 

もう一つご紹介させてください。

「なんで今まで無かったの!?」と言われている製品の一つです。

 

ブラシートは地味ですがシルクふぁみりぃでは定番品になっていて、毎月100枚以上ご愛用いただいている製品なのです。

 

この子は、偶然生まれてきました。

腹巻生地を編み上げたとき、機械の不具合であちこちに小さな穴が空いてしまったのです。

 

腹巻丈をとることは出来ないけど、もっと狭い丈なら穴をかいくぐって、ある程度取れそうでした。

「それじゃあ腹巻じゃなくてブラの下に着けるくらいの丈に縫ってきてください。」

 

最初、売れるものじゃないと思って1万円以上ご購入の方用にプレゼントとして出させていただきました。

 

ブラシートと名付けられました。

それが……プレゼント用が無くなっても、お客様からご要望が殺到!!

 

「あれが欲しいんだけど!!製品を作ってください」

 

そうして生まれて来たわけです。

この子はホントに勝手に生まれて来てくれた感じですね。

ちょっとだけ、私にインスピレーションを送ってくれましたが……。

 

こんな風に製品自体が生まれ出てくれたり、お客様のご要望から生まれたり、工場の方がふと考えて作ってきてくれたり。

 

色々な道を通って製品は生まれてきます。

生まれてくるジャマをしないで、むしろお産婆さんとしてお手伝いができたらいいなぁって思う私です。

 

いつもお読みくださってありがとうございます。

 

 

 

 

 

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