21年全日本。羽生選手SP感想。 | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

21年全日本。のっけから震え上がりました。

 

「譲る気はないです」。

 

ああ、彼ってこういう人だったよね。逃げも隠れもしない、有言実行の人。

 

252日ぶりの復帰戦。出ると決めたからには準備できているんだろうとは思いましたが…いやはや、おみそれいたしました(∞度目)。

 

羽生選手、SP、FS共制す完全優勝。圧倒的実力で堂々、全日本王者として3度目の五輪出場を決めました。おめでとうございます。

 

それにしても今季何といっても楽しみだったのは新SPでした。4Aは、楽しみというのとはちょっと、だいぶ、違う…(滝汗)。

 

SP音源は蓋を開けてみれば(私の大好きな)清塚信也さん。あの名エキシ、春よこいを羽生選手と共に文字通り血の滲む真摯さで作り上げてくださった時から私は大ファンなんですが(面白いしw)、実はN杯を怪我で欠場と発表された時、清塚さん、欠場のニュースを引用してこのように↓ツイートしてくださったんですよね。

 

「この怪我からも何かを得る。 本当に尊敬します。」

 

これ見た時とっさに、氏は何かの形で今季もしくはNHK杯に出場する羽生選手に関わってくださったんじゃないかなーとうっすら思ったのです。しかし、まさかこんなに深く重要な役割を果たしてくださっていたとはー!

 

思わぬ形で曲名が判明し、ピアノバージョンであるということも分かってからファンの期待がいや増す中、とうとうお披露目となったロンカプは、こちらの想像を軽く超える凄まじい演技でした。

 

 

 

 

(動画当初フリーを貼ってしまっていたので差し替えました)

 

超名曲王道プロでこれだけの音楽表現。これはジャッジも点数出しやすい。出さざるを得ない。五輪で輝きまくるプロですよ。

 

蛇足ですが、衣装はちょっと個人的には難しいかなって感じです(単に好みの問題)。サラサーテのために作曲された曲だし、スパニッシュ風なジプシー風な情熱的な感じをイメージしてたらオトナルをもう少しガーリーにした感じでした(今時チョーカーって少女がしてるイメージ)。まあ、そもそもオトナルもあの冷たい氷の色は秋ではなかったし、彼が好きな色なのかな。でも、色的にフリーとも重なっちゃうんですよねえ。

 

しかし、家族に意見を求めたところ、あっさり「…いつもこんな感じじゃない?」と返されたので、特に問題はなさそう(笑)

 

さて、ロンカプの演技ですが…。もう隅々に至るまで素晴らしすぎてどこを取り上げて良いものやら状態です。しかし、個人的に衝撃だったのは、普通表現面を賞賛するとなるとステップシークエンスがポイントになると思うんですが、ロンカプの場合、高難度ジャンプの入りが実に素晴らしいというその事実!

 

4S:以前から入れていたイーグルの前に短いけどものすごく効果的なツイヅルがプラスされました。これ考えた人(ジェフなのかシェイリンなのか)天才?(実施する人は間違いなく天才)。

 

4T3T:序奏のゆっくりしたメロディーから細かい32分音符を足元で刻んでからの再びゆったりめタクトで大きくスリーターンのエントリー。これ以上音符とシンクロするクワドの入りってありますか?

 

3A:バックカウンター前にバッククロスロールで音のアクセントに合わせて腕を上方向左右へスイング。これも強力なスパイスなんだけどドビュッシーによるピアノ動画の楽譜(https://www.youtube.com/watch?v=gPo7Vg4FbeU)ではこのアクセントになっている高音(Gis?)はピアニッシモなんで、こんなに目立っていない。こういうアレンジを考えたのは誰なんだろう。3A、驚異の高さ73cmでドンっと降りました。

 

もうね…27歳ベテランにして誰よりも安全策やマンネリ化から遠いところにいる人ではないでしょうか。

 

スピンも素晴らしいですね。回転スピードが速い!FCSpの終盤、クレッシェンドで下降するトリルで何かが起こるーと期待が高まったところでスピン終了と同時にロンドに突入。途端に増し増しの目力。総じてスピンのスピードが速くてドラマチックです。

 

CSSp終わりの怒涛のステップシークエンスへのエントリーも物凄いインパクト。

 

その満場一致満点ステップシークエンスの素晴らしさは筆舌に尽くし難いんですが、尺的にもSPで比べるならショパンやレミエンに比べてもかなり長く取っていたり、途中音楽の変調もあったりで(多分w)本当にドラマツルギーとして見応えのあるものになっています。

 

それにしても、こうした表現の幅を見るたびに、羽生選手のどんな色にも染め上げることのできる技術のピュアさ、クセのなさ、クリーンさというものに感嘆してしまうのですよね…。

 

そして、やはり点数が出た時のキスクラでのホッとした表情には…勝手に心中想像してこちらも涙腺緩んだのでした。わーん!