望月六郎的日記『中年勃起』 -6ページ目

今日中日です。

4月27日

 

土曜日、曇天、今日からGWです。

 

昨日無事3日目終了。今日で折り返しとなります。

舞台はすっかり仕上がり、出演者も自信満々です。

少しでも多くのお客様に見て頂きたい。

昨日は、第一回公演から観て貰っているお客様から「今までで一番面白い」と言って貰った。

 

勿論ありがたい褒め言葉だけど、書いてる側には結構なプレッシャーもある。

「次回はどうしようか?」と胸に突き当たる。

 

このシリーズは後二作で完結となります。

だとしたら、ここらでどんでん返しが必要かな、とも思います。

「この先、どうなっちゃうんだろう」という期待を持って頂くためにもです。

 

でもシリーズものには「ご存じ」って良さもある。

見る側にしても安定のキャラクターは、安心できるし愛着も湧く。

 

実は、今回あるキャラクターが出ていない。

古野あきほ演じるナンバーワンセクシー女優=五木逸華だ。

それから森田和正演じるAV男優=生麦ナンバーワン一郎。

谷口航季演じる整形外科=品川精二。

 

まだ他にもいますが、僕は一人大事なキャラクターを忘れていた。

それは座長・丸山正吾演じる宗教家=情縞仲人の化身=洗濯屋のケンちゃんだ。

 

今は遠い昭和にあって、極限られたエリアで噂になった人物です。

ご存じない方の為に、説明すると伝説の裏ビデオ『洗濯屋ケンちゃん』の主人公です。

 

セクシー女優シリーズ一話、二話で情縞が身分を隠して話を進めるためにケンちゃんに変身して登場しました。

まあそれだけ、と言えばそれだけの存在なので、今回の本には出てこない。

すると出演者三名ほどから

「今回は出ないんですか?私のお客さんケンちゃんファンなんです」

的発言を貰った。

「そうだったのか…」

知らぬ間に、ケンのファンができているとは、驚きです。

一作目で、ケンちゃんを演じる丸山は大いに悩んでいた。

しかしそう言えばに咲く目では大いに楽しんでいたなあ、と思い出しました。

 

四作目、多くの登場人物が帰ってくるけど、ケンちゃんは絶対に登場させようと思っています。

 

「どんでん返し」に関してなんだけど、「今までの立場からの裏切り」が大事なんじゃないかと思います。

 

裏切りにはドラマがある。エゴがある。驚きもある。

 

昨日の前々説で丸山と麻生が「訳わかんないです」を連発していた。

これには大いに不満というか、モヤモヤを感じる。

別に僕は「訳わかんない」もの書こうとしている訳じゃない。

僕の中で訳はわかっているつもりです。じゃなきゃ書けないもんね。

勿論「わかってもらえるだろうか」という不安、なくはないです。

でもわかりゃあいいってもんでもない…ビックリして…AHA!って思って貰う。

そんな体験をして貰いたい。

 

その為には、ギリギリの線を狙って、グラグラハラハラ綱渡りして、思い切り突き抜けたい。

そんな希望を持って、立ち向かっているつもりです。

 

僕が夢見た挑戦にキャストスタッフ一同が立ち向かって、現象を生み出して貰っているつもりです。

 

今回のラスト30分…色々てんこ盛りです。

でも主人公、美濃太を見つめていれば、大変スッキリしたストーリーだと僕は思っています。

 

それじゃあ、東洋館で待ってます。

 

 

3日目です。

4月26日

 

晴天。昨日は充実の2日目でした。

 

今日は『馬お嬢』の三人について書きます。

 

今回の台本書く時、前作で『17歳のヒロイン三人』を演じた椿千優・佐藤亜柚・小鞠に関していくらか悩んだ。

三人共、今までで一番、思い入れがあるだろう役柄を演じた訳だから、「次は何かな?」って期待があるかも知れない。

「そうは言ってもな」と考えたりもする。

そうそうコンパクトでいい役柄なんか思いもつかないしね。

ちゃんと見たことはなかったが『ウマ娘』が人気なのは知っていた。

競馬の街府中を舞台にした時から競馬はモチーフです。

「人妻」から「ひとズーマ」を連想して「UMA」=未確認生命体も連想した。

 

そんなこんなで誕生したのが『馬お嬢』です。

まあ、パクった訳ですね。

 

で、「ウマ娘」一応見とかなきゃな、と思って動画見ました。

 

競走馬を擬人化した美少女達がガンガン走ってました。

僕は二次元に関して基本思い入れはない。

どの子が可愛いとか、区別がつかない。

 

で、見た感想というか、絵柄というか構図に特徴を見つける事ができました。

短いスカート履いてスラッとした足を高速回転させるウマ娘達だが基本パンチラはない。

馬群を後ろから追いかけるショットは俯瞰気味でお尻や足を強調したりしない。

 

過度なエロ目線を避けるための手段なんだろうな、と理解しました。

まあ、本当に走っていた競走馬に対するリスペクトなんだろうか、と感じた。

競馬会に対する配慮とも受け止めました。

 

その点僕らは『浅草』がホームグラウンドなんだし『アングラ』(古っ)やってるんだから

毒っ気がなくちゃつまらない。

競馬に対して悪意はないけど、ドキドキしなくちゃね。

 

『馬お嬢』のコスチュームが出来上がってきて(劇団員が構成してくれました)

可愛いカボチャパンツ姿を見た時、

そして台本に書いた「トモ」に関するシュチュエーションを思い出し、

僕は不安というか、三人はどんな姿勢で臨んでくれるのか、期待というか、内心気に掛かってはいました。

 

競馬馬にとって「トモ」=「臀部及び脚部」=「下半身」は生き抜くための生命線です。

「トモ」は大切。でも、ドキドキの対象ではあります。

三人はどんな気持ちで取り組んでくれるんだろうか、そんな不安があったのです。

 

でも、僕の不安は杞憂に終わった。

 

三人は明るく爽やかに、健気で、それでいてセクシーな『馬お嬢』を爆誕させてくれました。

可愛いアイドルってだけじゃなく、

サラブレッドの老後、というか引退後の不安も含めて、

競走馬の世界から、大袈裟に言えば、日本の問題にも迫ってくれてます。

 

今回舞台上で、馬の種付けも再現される。

 

なんともすごい絵柄です。

でもそんなシーンも彼女達は前向きな姿勢で、乗り越えてくれました。

感謝です。

 

セクハラにコンプライアンス・ポリコレとか、世間は何かと喧しい。

 

サラブレッドは年間5000頭ほど殺処分されているが、そのことはあまり問題にされていない。

 

美しく儚いサラブレッドは、脆く妖しくその血統追求ロマンはまがまがしい光彩を放っています。

 

競馬はかつて強力な軍馬を生み出すための国家的事業ですがが、本来の目的を終えました。

今ではギャンブルを超えたエンターテイメントとして多くの人を魅了しています。

 

そんな重さを持った世界を『馬お嬢』の三人は思いっきり振り切ってかっ飛ばした存在感でやり切ってくれました。

 

「馬お嬢」見に来て下さい。待ってます。それじゃあ。

 

 

 

 

本日2日目です。

4月25日

 

昨日は雨の中の初日でした。

が、劇場内は大変熱かった。

前向き姿勢で観劇に望まれたお客様に乗せられて、楽しい舞台になりました。

感謝感激です。

 

そして今日はピーカン。やっっぱり気持ちがいいもんです。

初日乾杯でお客様、出演者に「次回作どうなるの?」って一番質問される。

勿論ぼんやりとした構想はある。

 

まず、最大のテーマは整形、人体改造、それ的依存症に関してです。

 

僕は整形に反対、って立場ではない。

それで幸せになるなら、整形美容、大いに活用した方がいいと思う。

しかし、整形の虜になって手術を繰り返している人を見るとなんだか不安になる。

人のことだからどうでもいい事なんだけど「心に問題があるのかな」とか考えてしまう。

 

そもそも整形って自己愛から生まれる行動なのか?

それとも自己嫌悪から生まれる行動なのか?

大幅改造してしまったその人は、本人にとって『誰』なんだろうか?…とか考えてしまうからだ。

 

若さを、美しさを保ちたいって気持ちは誰にもあるだろう。

そのために努力するのもいい事だ、と思う。

でも限界があること分かった方が幸せなんじゃ無いか、と思います。

 

人間至上主義が進んで、神と呼ばれる存在が消えた後に来る人類…ホモ・デウスって考えがある。

神のような人間・全能の人間・至福の人間・万能の人間、事なんだろう。

 

確かに今の世の中、そんな人がいるように感じる。

欧米でセレブって呼ばれる人なんかは、ほとんどホモ・デウス感を味わっているんじゃか、と思う。

普通の消費活動では使いきれないほどの金銭を持った人々ですよね。

 

その結果あらゆる事が可能になってしまった、あらゆる夢を叶えてしまった。

その場合、その次に人は何を欲するのだろうか?

やっぱり不老不死かな。

それとも、性的ファンタジーを実現することかな。

 

貧しい者を土台にして不老不死を得て、無限快楽に浸る。

 

勿論僕には無縁の話だが、これって本当に幸せな立場なんだろうか、と思います。

相当病んだ生き方のように感じる。

本来は考えなくてもいい、考える必要のないことを、ひたすら追及する立場って辛くは無いのかな。

僕の想像が的を得たものだとしたらホモ・デウス的人間を生み出した現在の世界の方に問題があるようにも感じます。

 

そんなセレブ達の生き方をSNSで垣間見て、それに幾らかでも追いつこうと努力する。

整形を繰り返すために自分の身体を金銭に変える。

これって、整形って名の宗教に入信してしまったようなものだと感じてしまうのです。

 

まあこんなことを考えて、いくらか本読んで、9月になったら台本にします。

 

今日は2日目です。この先芝居はどんどん良くなるはずです。

劇場でお待ちしています。それじゃあ。