望月六郎的日記『中年勃起』
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道具が揃ってスケールアップ

4月29日 曇天

 

昨日は5時まで劇団員を中心に小道具作り。

有志の皆さんにも手伝って頂いた。

僕も、習字を手伝いました。

『大鳥居』『得比寿』『品寅』の巻物三本で、なかなかいい出来です。

劇場で確認して下さい。

 

その後5時からは8時までみっちりの返し稽古でした。

今までエアーで演じていた吉原朝日楼前の大喧嘩のシーンに重要な要素が加わりました。

遊郭のシンボル、顔見世の格子が二台届いたんです。

赤く塗られた格子にはキャスターがついていて、これが舞台を縦横無尽に移動します。

勿論人力。ローテクの極み、ギミックです。

しかし、この二台のお陰で、舞台は見事に立体化します。

或る時は店の外、また店の中、180度の大移動パノラマ。

勿論お客様の想像力が一番の味方ですが、楽しんでもらえることは請け合いです。

 

そんな訳で、今日は格子の中=遊郭『朝日楼』について書こうと思います。

『吉原ロミオとジュリエッタ』はタイトル通り吉原が舞台です。

花魁、遊女、お女郎の世界ですね。

苦界と呼ばれる、人身売買です。

吉原には文化的な側面も大いにあって、華やかです。

日本が誇る文化拠点であった事も確かですが、上っ面だけを描いて済ませば片手落ちになる。

ですから、『吉原ロミオとジュリエッタ』には、ミッチリ吉原が描かれています。

朝日楼は故浅川マキの代表曲、『朝日の当たる家』から頂きました。

ニューロリンズの売春宿が舞台、ジ アニマルズの名曲の翻訳版ですね。

そんな訳で、まずは、登場メンバーの紹介です。

※『朝日楼』のキャスト

朝日楼新男(ニューマン)・楼主=暇人。どこにでも顔を出す。              安田ユーシ

毬鈴(まりりん)・・・・お内儀=女将さん。もと花魁の吝嗇家。       石川美樹

大鳥居(おおどりい)・・看板女郎。くぐらせたい。                                野村 亜矢 

得比寿(えるびす)人気女郎。秘密の性癖もある。                      荒木 凪瑳 

クルミ・・・・・朝日楼花魁・品寅(しなとら)となる。      大岸 明日香     

クリ・・・・・・新造。田舎で山犬に襲われる。          藤咲 優希

ヤナギ・・・・・新造。故郷では山犬の好物。                                               我鳴 萌

濡羽・・・『セクシー女優事変』シリーズへと連なる伝説の掃除婦。   石井 ひとみ

 

 

新男は基本仕事はしない。遊んで暮らし、役目は周りとのお付き合い。

よくあるパターンですが、新男は影が薄くて、そのお陰もあって神出鬼没。

舞台進行の点では大変使い勝手がいいのです。

安田ユーシさんが飄々とした持ち味を大いに発揮してくれます。

まあいわゆる一つのムードメーカー的存在です。

 

毬鈴はその妻で女将だ。

出来の悪い旦那を尻目に店の切り盛りで忙しく、これもよくある遊郭物での類型ですね。

しかし劇団員一の激情型女優=石川美樹が演じる以上ロールモデルで事はすまない。

独特の審美眼の持ち主で、二枚目もどき、麻生金三演じる岡っ引きといちゃついたりします。

先日の通し稽古で僕の隣に座っていた照明のジミーさんが思わず吹き出した場面もある。

いきなりですが、僕は故アントニオ猪木は国民栄誉賞に値する存在だと思っています。

現在40才以上の男子にとって、アントンは永遠に心の中で生きています。

そんな心境から生まれた茶番芝居をミキティは大変に楽しく、大事に演じてくれている。

この場面に対しておじさん出演者の反応は、ジミーさん同様で、すこぶるかんばしい。

『ミキティ!』と劇場でバシバシお声がけしてやって下さい。

 

朝日楼の看板遊女は花魁の『大鳥居』と『得比寿』です。

お姉さん的存在劇団員=野村亜矢と初登場の荒木凪瑳が熱演してくれています。

『吉原ロミオとジュリエッタ』は‥‥というより劇団ドガドガプラスには大きな足枷がある。

制作を手伝ってくれる妻からかつて「笑えない芝居は手伝えない」と宣言されました。

そんな訳もあって、二人は大いに華やかに、笑いと可愛いお色気を振りまいてくれる。

でも、それだけじゃあ苦界を描いたことにはなりません。

亜矢ちゃん演じる『大鳥居』には大変哀しい場面が用意されている。

嫌な客にネチネチねぶられるのが、悲壮なエロチシズムが溢れていて素晴らしい。

 

『大鳥居』と『得比寿』はライバル関係を演じながら、秘密の関係を持っている。

故野坂昭如の短編小説『色指南』に詳しいのだが日本には秘宝『といちはいち』がある。

遊郭や大奥など女だらけの世界の秘儀、レズビアンの事ですね。

実は『得比寿』はお姉さん『大鳥居』に情を寄せ、情を掛けもする。

女郎の悲しみの吐露もして見せる。

荒木凪瑳は、この辺にも果敢に挑戦してくれて、大変気風がいい。

 

二人にはそれぞれ新造が控えている。

クリ=藤咲優希、ヤナギ=我鳴萌のオーディション組です。

『吉原ロミオとジュリエッタ』の冒頭、村祭りの盆踊りシーンで村の男との密会がある。

懸命に演じる姿が初々しい。きっと萌えるお方もいるでしょう。

新造振りもかわいらしい。微笑ましくて稽古場に笑いも起こる。

クリは劇団員大岸明日香のドガドガデビューの役どころでもある。

前説で明かされるその辺の事情も要チャックです。

昨日の小道具作りでも大変活躍してくれました。関心関心。仲良くなった。

 

クルミは本作のもう一人のヒロインです。

新造から女郎となって『品寅』に変わると、意気地を糧に駆け上る。

最後には、とうとう恋愛を成就させる『朝日楼』の元気印しだ。

野島健太郎ナンバーを歌ったり、途中道すがらに日本初のキッスの発明もする。

日本にも口づけはあったそうです。

『口吸い』という閨の戯れで、いわば特別性的テクニック。

愛情のシンボル的行為ではなかったようです。

で、『品寅』は愛しい男の間で、『口吸い』を『キッス』へと昇華させるという寸法です。

劇団員大岸明日香が、渾身の演技を楽しく演じています。

 

 石井ひとみさん演じる『濡羽』は僕の大好きなキャラクターです。

『セクシー女優事変』シリーズ5作を通じて角筈濡羽は活躍しました。

性産業を渡り歩いた猛者は、とうとう清掃業に流れ着いた。

きっと苦しい過去や哀しい過去を背負っているに違いない。

でも、明るく軽やかに生き抜いた濡羽は、そんな女たちの守護神でもあるのです。

今回は床上手という要素も加味されていい味出してます。

 

今日は4時から通し稽古です。いい出来だった今日は飲みに行くかな。

それじゃあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通し稽古、大成功。

4月28日 曇天 風強し

 

 昨日は4時から通し稽古。一昨日の初通し稽古と比べて大いにしゃきっとした。

仕上がり具合は8割超って感じかな。ここから磨いて初日にはピカピカに出来そうです。

そんな具合で、本日は昼は出演者は小道具作りに励む。

夕方から返し稽古と、久々に少しゆっくりしています。

しかし、僕には昨日稽古終わりに明日香から命じられた役目があった。

「そろそろ、中説、役者紹介の原稿お願いします」

つい先日、当日パンフの原稿を渡したばかりだし、最近はブログもある。

ブログに関しては、基本読み直しはしない。一回だけ読むかな。

あんまり丁寧に仕上げると億劫になって、休んじまいそうだからだ。

日記と同じ、続けることにこそ意義がありそうだもんな。

そんなわけで、今日はお昼直前にこれ、書いている次第です。

 

昨日は照明、音響の技師さんに見て頂いた。

照明のジミーさんをは20年来の付き合いになりました。

東洋館は寄席だから、照明で凝ることが出来なんだ。

ジミーさんもその点、残念な思いをしていたに違いない。

しかし今度は、ちゃんとした劇場です。本番、とにかく楽しみだなあ。

今日の役者紹介は三人の男性出演者です。

 

ちなみに現在の演劇界の傾向を報告すると、とにかく若手男優の担い手が少ないそうです。

5年ほど前に『劇団唐組』のボス=久保井研氏もその点を嘆いていたっけ。

ましてやコロナ禍で、最近どっと減ってしまった感があります。

その点女子はますます逞しいですね。

 

イケメン芝居や、一緒にしちゃいけないんだろうけどホストに地下アイドルと

押しの世界は華やかで賑わっている。

しかし、ある面地道に役者の道を選び、地道に進んでいく男優不足は結構深刻なんです。

今回も、結構苦労しました。

幸いドガドガは座長の丸山も劇団員の麻生金三もあっちこっちの舞台に出てる。

そこでの人望もあるようで、今回は丸山が井出晋之介を、麻生が山田龍弥をスカウトしてきてくれました。

山田の方が少し先輩で、甘いマスクでいろいろ代役も買って出てくれる気のいい男です。

井出はガッチリしていて、それでいて大型犬のように愛嬌たっぷりの元気者だ。

二人の役どころは、それぞれ狐火紺九郎と熊沢風太郎。

田舎出の芋侍で、二人は河原で禁じられた犬鍋を食し、精力満々状態で吉原に乗り込みます。

二人のスケベ振りが騒動の発端になって、吉原で大喧嘩騒動が巻き起こります。

その結果、ヒロイン樹里絵が、続いてヒーロー、狼の眼を持つ男=毛利小平太が、

最後にはとうとう、吉原の顔役、犬神弾左衛門が出張って来るのです。

どうです、面白そうでしょう。

兎に角この舞台、最初の40分は二人が一番の敵役で間違いない。

それも、小物の悪役だから、余計に憎々しい存在なのです。

思いっきり嫌みで、思いっきりの理不尽で、思いっきりの暴力を振るう。

「いいか。お客様に嫌われたら嫌われるだけいいんだぞ」

僕の励まし?に、二人は笑顔で納得してくれました。

つまり、思いっきり、いい気持ちの二人って訳なんです。

その二人がコテンパンにやられる。このカタルシスが前半の見せ場の一つとなっています。

二人は初対面だそうだが息もぴったりで仲が良い。

被害者?のような役所だから連帯感も生まれたのかな。

これまた、いい話じゃあないですか。正にめでたしめでたしです。

 

で、もう一人の初登場男優は、二人より少しばかり年長の長瀬将暉です。

彼が演じる猪亥乃三は、二人とは正反対の言わば、儲け役なんです。

我が身を賭して、尽くして、尽くして、その上で立派な死を遂げる。

誰もが憎むことのできないキャラクターなんです。

吉原亡八者の兄貴分なのですが、僕はでっかい男優がどうしても欲しかった。

ヒーロー=ロミオより大きな男、ってのが僕の必須の条件でした。

で、いったん決まりかかった男優がいて、面会もした。

ですから、僕はすっかり安心していたんです。

ところがどっこい、二月になって事務所の都合でいきなりのキャンセルを食らったのです。

ねじ込んでもいいようなタイミングでしたが、それじゃあその子がかわいそうです。

僕は劇団員には「何とかしてみる」大見えを切った。

旧知の事務所や、キャスティングプロデューサーに頼ったのです。

しかし、あまりにも時期が遅すぎた。悉く断られてしまい八方ふさがり。

どうしたもんか、と諦めかけていたそんな中、頭に閃くものがあった。

正月にみた仲間の舞台に重要な役どころにでっかい男が出ていたことを思い出したんです。

早速連絡を取って、打診してもらうとなんと一発ツモの出演OKでした。

地獄に仏とはこのことですね。

俺にもまだまだツキは残っていったって訳です。

僕は妻と新小岩の居酒屋で長瀬と面会しました。

正直、顔もそんなに覚えてなくて、SNSで探した宣材写真は結構優男。

しかし、本人は男っぽい好漢で、まさに亥乃三にピッタリの若者でした。

出演理由を聞くと何故だか

「稽古場が新小岩なんでやってみるかな、と思った」そうで新小岩様様ですね

稽古場でも、酒の場でも寡黙な存在で、いつもニコニコ笑っています。

亥乃三を、いたぶる前述の侍二人組とも仲良くやっているようです。

 

それから、今日はもう二人に触れとこうかな。

 

松田よしきはドガドガファンの若手男優でした。

どこかで聞きつけて観客となったんでしょう。

次回のオーディションに参加してきた。

『セクシー女優事変』シリーズ第四作『絶頂作戦篇』で野村亜矢が演じるヒロイン=桃井園子が

微妙に推す、押しのホスト『みるる』を演じました。

そんな役名であることからも、不思議な味が魅力の俳優です。

いわゆる一つの飛び道具系ですね。

不器用だし、頭に血が上ってパニックになることもある。

しかし、熱心なけいこでひとつづつ克服していきます。

今回奴の役どころは亥乃三の一番下の弟分で『泣きの酉松』です。

足手まとい的存在ですが、最後に立派な成長を果たす、まあ、はまり役って感じかな。

頑張れよ。

 

さてもう一人は相沢優斗です。

ドガドガ参加は三回目。安田ユーシさんから紹介してもらいました。

『セクシー女優事変』シリーズ『絶頂作戦』では、セクシー女優志望の女子高生の友人役。

『完結篇』では、コンビニの経営者の娘役が好評でした。

思いっきり長身ですが、出演者の皆に可愛がれる、可愛い存在です。

優斗が演じる岡っ引きの子分『雛助』は大変いわれのある役どころです。

初代雛助は劇団員野村亜矢。

二代目雛助もまた劇団員大岸明日香。

想いっきり弾けた役で、二人にとっても飛躍を見せた大切な思い出で違いない。

そして三代目に、優斗が挑戦しているのです。

いい話だなあ。

 

1時10分やっと終了です。

昨晩夜、丸山と連絡して、今日の小道具作り手伝うんだった。

飯食ったら、けいこ場です。

 

明日からは劇団員や、新人について思いついたこと書いていこうかな。

それじゃあ。

 

 

 

 

 

 

昨日は初めての通し稽古でした。

4月27日 雨

 

 昨日16時30分より、初日まで10日を切った時点で、初の通し稽古を行った。

いい出来です。勿論問題点も無くはない。

稽古の後は総勢17名で新小岩駅前の中華料理店での飲み会もあった。

コロナ後は討ち入りの飲み会もやらなくなりました。

ですからのドガドガ稽古中の飲み会としては珍しい大人数で盛り上がった。

そこここで芝居に関する話が盛り上がっていて、大変よかったです。

11時過ぎに帰宅。追い酒を決めて1時ごろ寝ました。

老人ですからいったん6時に起きて、ぼんやり夢を思い出す。

すると、昨日の通し稽古の改良点を2つ覚えていました。

どうやら眠っている時も、お芝居の事考えているらしく、大変喜ばしい状態のようです。

再びうつらうつら、しているうちに二度寝に落ち、9時にベッドを出ました。

本日一時からの返し稽古で、夢のお告げの改良に取り掛かります。

楽しみだな。

 今日はブログは昨日の予告通り、ベテランの客演陣についての雑記です。

まずは出演者最年長のコビヤマ洋一さんです。

90年代、テント芝居の雄『劇団新宿梁山泊』の一員だった。

唐十郎率いる赤テント『状況劇場』『唐組』の劇団員が結集した梁山泊には、アングラ的魅力の

役者陣が揃っていた。

その中でも、コビヤマさんは中核にあって存在感を放出していた怪優です。

長身で、見事な禿げ頭、声の迫力はすこぶるだ。

コンテンポラリーダンスから生まれた独特の肉体表現は奇怪で素晴らしい。

子供だったら笑うか泣くしか、逃れる道はないだろう。

『セクシー女優事変』シリーズでは5作通して、公安デカの鮫洲を演じて貰った。

はからずも現代の性問題を扱う部署に配属されてしまった、強面にして、人情に厚い好漢振りが素晴らしかった。

それ以前にも、幾度が出演をお願いしており、ドガの大きな柱の一本です。

異形のコビヤマさんだが、けいこ場では大変優しい存在です。

若い出演者にも芝居指導に、役者根性注入と有難い存在です。

 今回の役どころは隅田の河原に巣食う鳥どもの主=鳶烏だ。

鳶烏は『生類憐みの令』が猛威を振るった元禄の世で、禁じられた犬鍋を振舞っています。

吉原の顔役=犬神弾左衛門との間に、濃厚な過去を持つ渋い役どころです。

 

 昨日通し稽古後、出演者全員に誕生日を祝って貰った石井めぐみさんも梁山泊出身です。

『セクシー女優事変』シリーズでは、若い時分あらゆる性産業を渡り歩いた末、現在掃除婦として現代の垢の掃除人する、超人的人物=角筈濡羽を演じて頂きました。

 男たちの欲望にまみれ、女たちの悲しみを雪ぎ、とうとう濡羽は特殊能力を身に着けています。現代の性の嵐の中で、自分を見失ってしまった数多のセクシー女優、少女、人妻達、の守護神的存在です。

『セクシー女優事変』シリーズについて書くと、我ながらなんのこっちゃ、と思うことが多いな。

60歳を過ぎた石井さんだが、シリーズ4作目『絶頂作戦篇』では十代も演じて貰って

大変好評でした。そんなぶっ飛んだ役どころ=濡羽が素敵なキャラクターに育ったのは、

石井さんの持つ清潔さと明るさの賜物だと思います。

 で、『吉原ロミオとジュリエッタ』での役名は、やっぱり濡羽。

老いて吉原の掃除婦やっていますが、かつては花魁として鳴らした存在です。

不幸な女たちの悲しみを少しだけでも薄めたい、そんな心情の役どころです。

ちなみに、濡羽の由来は鴉の濡れ羽色から頂きました。

 不吉なようでいて、奥深い光沢を湛える存在を考えての命名でした。

今作でも、かつて床上手と呼ばれてた『といちはいち』(日本いにしえのレズビアンテクニック)の達人という大変危なっかしい設定なのですが、同時に歌舞伎役者の追っかけもしている経緯から、大変明るい役作りに成功して、お陰で舞台に品格を与えてくれています。

 

 吉原の川向う=向島でアングラ歌舞伎『百化宴』を率いる座長=馬里並二を演じているのが

ドガドガプラス久々の登場、中瀬古健です。ドガドガ復活祭公演『金色夜叉』の主演、間寛一以来の出演で舞台に華やかに盛り上げてくれます。

中瀬古健は益荒男ぶりと手弱女ぶりが同居しています。

まさに美しい甲虫のようにキラキラ、ギラギラした存在感は眩しい限りです。

アングラ歌舞伎の花形はまさにうってつけの役柄で、最後の最後には女形も演じています。

2幕冒頭にはデビットボウイにあやかったロックナンバーのステージングもある。

素晴らしい歌舞伎振りですから、ほんと乞うご期待です。

 

 馬里並二の右腕、新進の戯作者=向島竜之介を演じるのは佐々木健こと、S健です。

10年以上に渡る連続出演のドガドガ出演常連組の筆頭で、僕の大事な飲み友達でもある。

もともとはプロのバレエダンサーなのだが(現役です)今回は座長の丸山正吾が思わず

「S健、上手くなったなあ」と感想を述べるほどの頑張りを見せている。

竜之介は『吉原ロミオとジュリエッタ』全体の語り部的存在です。

芝居の種を求めて楼閣に長逗留していたことで、物語を目撃し、さらに戯作者として物語を再構築する、大変重要な役どころなのです。

 中瀬古健と佐々木健のW健ちゃんは実生活でも大変仲が良い関係です。

地下鉄湯島駅、徒歩1分のロックバー『道』でバーテンダーとして互いを助け合ってもいる。

そんな訳もあって『吉原ロミオとジュリエッタ』ではアングラ歌舞伎を盛り上げる二人の盟友=

バディとしての関係性にも注目して頂きたいです。

男同士が目標を定め、互いを尊敬して行動を共にする。

極めてカッコいいです。

 

 安田ユーシさんは『セクシー女優事変』シリーズからの付き合いだ。

シリーズでは基本やさしいスケベ親父を演じて貰った、大事な飲み友達です。

丸山正吾から紹介されたのだが、ベテランでもあることだし、最初はどう関わって貰ったらいいか、手探りでした。しかし、もともとコメディアンでありから、軽妙が持ち味で間違いなかった。飄々として、それでいて楽しさが隠せない。実に憎めない存在です。

今作の役どころ=新男(ニューマン)は、影が薄い技が売りの廓の主です。

仕事は一切しない、何考えているかも不明な男を悠々と演じて貰いました。

物語の最終版にきらりと光る存在として登場しますのでお見逃しなく。

 

 さて、いよいよ本日のブログのトリを飾るのは、アキポンこと古野あきほさんです。

ドガドガ初登場は10年前の『カゲキ・浅草カルメン』で犬神弾左衛門もイカレタ一人娘役=×××(役名失念・申し訳ない)だった。丸山の推薦での参加だったが、可愛い可愛いアキポンに僕は若い女の狂気を演じて貰いたくって、随分無理な注文をしたこと覚えています。

以降、ドガドガの常連出演者の美女担当。時々のお休みはありましたが、『肉体だもん』では

戦争未亡人のヒロインを哀しさ、お色気たっぷりに演じて貰って、素晴らしかった。

アキポンには、前回の『浅草ロメオとジュリエッタ』ではヒロインを演じて貰った。

これまた熱演でもちろん好評、僕の記憶にも鮮明に残っています。

 今回の出演に際して僕は今までにない役どころ=汚れ役とも言って青鷺をお願いしました。

青鷺は、コビヤマ洋一演じる河原に巣食う鳶烏の命の連れ合いです。

青鷺は、宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』の重要なキャラクターです。

美しくって、それでいて不気味で、神聖を持つ存在です。

それでいて、調べてみると大変に凄まじい鳴き声の持ち主です。

「グアー ガアーゴウ」

『生類憐みの令』が世界の重みになっている『吉原ロミオとジュリエッタ』は動物尽くしの設定になっています。

鳶鴉と青鷺が巣食う隅田川の河原は『ロメジュリ』の道行の終着地でもある。

僕は、アキポン登場で、青鷺に思い切り鳴いてもらいたいと考えていました。

同様に、コビヤマさんの鳶烏にも、迫力をもって鳴いて貰うつもりでした。

確かに二人とも、最初はおっかなびっくりだった。

そっりゃあ、どう演じていいか、いきなりだったら悩むだろうし、気も引けるだろう。

そこで僕は思いっきり、鳥の気迫を込めて鳴き叫んだ。

アキポンは、それで気持ちも定まり、肝も据わって、以降青鷺は素晴らしい存在になりました。

青鷺の最後の登場場面で、青鷺の過去=大きな秘密が明かされます。

このセリフの中には、青鷺の思い出=椿事『空が落ちる』有様が語られています。

エディットピアフのシャンソン『愛の賛歌』から頂いた設定で、僕のお気に入りです。

アキポンも実に颯爽と演じてくれて、めでたしめでたし、です。

 

さあ、今日も4時から通し稽古。その間に直しが待っています。それじゃあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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