先日、けっこう大昔の本を読みました。
近所の蔵書家の日本人妻から譲っていただいた本です。
(この方のおかげで、ここ数年読み物に困らずにおります。感謝感謝)
その本は
椎名誠の「パタゴニア」集英社文庫
手元の単行本は1994年に第一刷されてますが、
話の内容は
椎名さんが1983年の10月から三ヶ月、南アメリカの南端パタゴニアを旅した時のもの。
なので、三十年前の旅日記です。
椎名さんはその時、チリ海軍の軍艦に乗って南極に一番近い南アメリカの最先端のホーン岬から100キロ離れた島、ディエゴ・ラミレスに行くのです。
(本文ではディエゴ・ラミレスは孤島とされてますが、実際は6つの島からなる諸島です。椎名さんが出発前に現地を知るための資料は一冊の本くらいだった。と書いてることからも、現在と三十年前の接する情報量の違いを思わされます)
椎名さんは、強い目的があってそんなところに行ったのではなく、そういう企画があるから行ったという感じが本文からも伝わってきますが、
その椎名さんが乗ったチリ海軍の軍艦には、すごい任務があったのです。
なんと、南アメリカ大陸から遠く離れ、南極に最も近い、一年中嵐の海に佇むその島で任務に付いている
要員の交代に行くのです。
南極と南アメリカ大陸を分かつドレーク海峡は世界で一番の海難ゾーン
まさに嵐の中に浮かぶ島に、自国領守備という任務を持って四ヶ月過ごす人がいるのです。
すごい手当が出るそうで、結婚準備のためにこの任務を志願するものもいるのだとか・・。
(島にある施設は一応、気象観測所とされてますが・・)
これにはびっくりしました。
日本は今、自国の島だと思ってた島々を、近隣国が「うちのやぁ!!!」と迫ってきて困っていますが、
オバマさんが「あんたのよ!!」と言ってくれて、ホッとしちゃってます。
その点、チリは嵐の中の島に兵隊を駐在させてるんだなぁ。
日本はほんとに平和ボケなんだなぁ・・と思いました。
歴史上他国からの侵略というものを先の大戦まで知らずに来た島国日本ならではだなぁ・・と思いました。
だから自衛隊を!なんて、まるで思いませんが、
こうなる前に、なんかしとけばよかったのになぁ。。
と思うわけです。
色々先端を行ってるような日本ですが、
先端の先を見越すチカラなんて、政治家にはないんだろうな。
海洋資源の開発だって日本企業が先駆けて始めたようなものなのにね。
今日は読書感想文でした