Berryz工房がカバーすべきだった日本の名曲10選! | カルバートン・スミスの告白

カルバートン・スミスの告白

ふたつ、不埒な悪行三昧……。

ベリ


Berryz工房が無期限の活動停止。事実上の解散。

思えば、長らくモーニング娘。絶対主義者で、ハロープロジェクトのほかのユニットには目にもくれなかったわたくしにとっては、二年あまりの実に短い期間の愉楽だった。

全員が小学生というあまりにも早すぎるデビューから、11年。
PerfumeやNegiccoなど、10年超の歴史を持つアイドルグループが増える中で、Berryz工房は飄々としつつも切々と与えられた課題をこなしてきた。

10年を超えながらも未だに現役のPerfumeなどと、このBerryz工房の違いはと言うと、自身の具体的な目標を定めているか、いないかにあると思う。

PerfumeやNegiccoなどは、自身のこれから立つべきステージやビジョンがはっきりしていて、ファンとそれを共有し、更なる高みを目指そうとしている。

逆にBerryz工房はファンに向かって、やれどういう場所で活躍したいだの、世間に認めてもらいたいだの、表現力を高めたいだの、グループがどういう方向性で進みたいだの、そういった概念をファンに発信することは少なかった。

Berryz工房と同期のアイドルグループ・℃-ute(きゅーと)の場合、メンバーの萩原舞は「横浜アリーナに立ちたい」と発言したり、リーダーの矢島舞美は「いずれは単独で東京ドームに立てるようなそういうグループにしたい」などと、積極的に発言することによってファンの興味を引き付け、理念・理想へのこだわりを見せることで、互いに高め合おうとアピールしている。
そういう℃-uteがBerryz工房より先に日本武道館のステージに立つこととなった時、Berryz工房のキャプテン・清水佐紀は、「自分たちも武道館に立ちたいと思っていた」と、あまりにもとってつけたとしか受け取られても仕方がない発言をしたがために、「そんな高みを目指すような欲があるんなら、言ってほしかった」と多くのファンからなじられた。それを受けての清水の発言が印象的だった。
「自分たちは言わないんです。言わなくてもメンバーには伝わっているから」
思い返すと、もしかしたらこれが解散への第一歩となったのかもしれない。

彼女たちは、ひとつのステージをプロとして最大限に表現することには異常なこだわりがあるが、アイドルとして一世を風靡するとかの理念理想というものに対するこだわりは全くないと言っていい。

これはすなわち、実に職人的なスタンスである。

鍛冶屋が刀を作る。寿司屋が寿司を握る。仏師が仏像を彫る。そういう作業と実によく似ている。
鍛冶屋が刀を作るとき、いい刀を作ろうと努力するが、その刀で世間を変えようはさらさら思わないだろうし、いい寿司屋は目の前の客を喜ばすために最上の寿司を提供する。そのための仕事は惜しまない。世間をアッと言わせようとして奇妙な寿司を創作して、あっという間に潰れてしまった店を、わたくしは何軒も知っている。

ただ、彼女たちは自身が作品であるがゆえに大いに悩んだはずだ。
アイドルの定義は時代時代によって移り変わっているものなので、如何ともしがたいが、もし「アイドル=若さ」と定義すると、アイドルには賞味期限がある。
ならば、その期限までを精一杯にアイドルとして勤める。ここで初めて、彼女たちにも理念・理想というものが萌芽したのではないか。

きっちり、期限を定めて活動を停止すること。それが彼女たち唯一のこだわりだったのだ。

解散を決めた直後から、所属事務所は「解散商法」を展開して、お客さんの呼び込みに終始したが、最後の最後までBerryz工房は職人らしく淡々と仕事をこなしていった。そのスタンスには頭が下がる。

解散公演となった、日本武道館でのコンサートの直前、有明コロシアムの二日間の公演があり、そのあとに、後夜祭として高輪プリンスホテルでラストイベントも行ったが、全日にわたって同じ曲は歌わないというルールを決めて自分たちでセットリストを作り、衣装や美術に至るまで細かく注文を付けたという。

わたくし自身は、こういうときだから、自分たちが歌わなかった歌で歌えなかったものがあれば、その場を借りて歌ってしまえばいいのにとかいう無粋なことも考えたのですが、やはり職人気質がそれを許さなかったのでしょう。

正直、Berryz工房のアイドルとしてのパワーは、どのアイドルグループのそれよりも数万倍は優れていると感じます。

その表現力をすれば、どんな歌をもアイドルソングとして成立してしまうのものの、そこに対するこだわりがないゆえにこういう事態となったと……。

Berryz工房がもっと表現の幅にこだわりを持っていたグループであるならば、もっといろんな曲を積極的にカバーしたりしたはずです。

と、わたくしが思うのも、Berryz工房には海外の楽曲を主題としたカバー曲はあるものの、日本人歌唱楽曲に対するカバーは一切ないため、そんなことも思ってしまった。


「ジンギスカン」 (旧西ドイツのグループ、ジンギスカンのカバー)



「Loving you Too much」 (タイの歌手、トンチャイ・メーキンタイの歌曲)



「だったら、ちょっと復活したときだけでもいいから、こういう曲をカバーなさったらいいんじゃない?」という提案をしてみたいと思う。ただし、ハロプロの楽曲は除外するものとする。

完全に妄想なので、他言は無用に願いたい。(笑)





(1) サンボマスター 『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』





世界はそれを愛と呼ぶんだぜ/ソニーミュージックエンタテインメント
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Berryz工房とロックの相性が非常に良いことは、ファンならば体感しているだろうから、多くは言わない。

この曲のいいところは、比較的誰でも知っていて、もし知らずともわかりやすいメロディーがゆえに初めての人でも一緒に声を出して歌えることにある。

ラストコンサートでのダブルアンコール。『Love together』は、結局、Berryz工房七人と観客・一万有余人との大合唱に終わった。

もし、Berryz工房が復活するならば、この曲で大合唱して復活を祝いたいと思う。




(2) SPEED 『Body&Soul』




Body&Soul/トイズファクトリー
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アイドルなき時代のアイドル、SPEEDのデビュー曲にして、最大のヒットナンバー。

この曲はキャプテン・清水佐紀にカバーしてほしい。二人歌唱の曲だが、全員で回してもいいし、何人かの選抜でもいける。




(3) SILVA 『Morning Prayer』




morning prayer/ポリドール
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「SILVA姐さん」として、島田紳助らとバラエティ番組で共演していたので、名前を知っている方もいるであろうが、もともと声楽をやっていたことだけあって、歌はべらぼうにうまい。

歌詞の内容は「朝からエッチしよう」という色っぽい曲だが、ビートがきいていて、小気味がいい。曲を知らない観客でも一気にロックできるはず。

こういう曲は夏焼雅メインで歌ってほしい。



(4) ハナ肇とクレイジーキャッツ 『ハイ それまでョ』




結成50周年 クレイジーキャッツ コンプリートシングルス HONDARA盤/EMIミュージック・ジャパン
¥3,292
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ガラッと変わって、日本のコミックソングバンドの元祖と言っていい、クレイジーキャッツのこのナンバー。映画『ニッポン無責任時代』の主題歌。

Berryz工房は「お笑いもできるアーティスト」という感覚で観賞していたので、その元祖ともいうべきクレイジーキャッツの楽曲は是非ともカバーしてほしい。

個人的に、嗣永桃子に植木等感を非常に感じるので、この曲は嗣永さんで。(笑)




(5) おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ! 『こいしょ!!!』




こいしょ!!! (限定盤 Type-D)/ハピネット
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テレビ東京系の朝の児童向け番組『おはスタ』のイメージキャラクター、おはガールの2012・2013年のイメージキャラクター、三人によるユニット。

ストレートなアイドルソング。
Berryz工房には、「自分はアイドルに向いていない」という人物が何人かいるが、そういう人たちでこの曲を歌ってほしい。(笑)

とくに、熊井ちゃん。サビのジャブする振付けは、この三人よりも絶対に似合うはず。(笑)



(6) フラワーカンパニーズ 『深夜高速』




※0分57秒から。

深夜高速-生きててよかったの集い-/SMA
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2000年代を代表するロックバンドのひとつ。フラワーカンパニーズ。略して「フラカン」

青春時代を過ぎてもなお、不安な日常を生きる人たちの夢と希望を圧倒的パフォーマンスで歌う姿に、次世代の多くのバンドがカバーしている名曲。

こういう曲は、菅谷梨沙子の独唱で聴きたい。

歌詞の内容を知れば、自分から歌わせてくれと訴えてくるはずだ。




(7) 中島美嘉 『一番綺麗な私を』




一番綺麗な私を(初回生産限定盤)(DVD付)/SMAR
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中島美嘉の隠れた名曲。しっとりした曲もBerryz工房とは相性がいい。

こういう曲は須藤茉麻に歌ってほしい。あの人ならやりきってくれるはず。(笑)



(8) neco眠る 『猫がニャ~て、犬がワンッ!』




Even Kick Soysauce/neco眠る
¥1,890
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大阪の知る人ぞ知るバンド、neco眠るが、二階堂和美をフィーチャーした楽曲。

コミカルな曲が多いBerryz工房には絶対にカバーしてほしい楽曲。

徳永千奈美ならば、喉から手が出るほど歌いたいはずだ。





(9) 東京スカパラダイスオーケストラ 『星降る夜に』




星降る夜に/カッティング・エッジ
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アンコール前の最後の一曲、的な感じですんなり軽く歌ってほしい一曲。

できればバンドが入ってほしい。本音を言えば、全部の曲に入ってほしいんだけど。(;・∀・)


パート分けがしやすい曲だと思うので、これは全員で。ファンも含めて幸せな気分になれるはず。




(10) 小沢健二 『ぼくらが旅に出る理由』




LIFE/EMIミュージック・ジャパン
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1990年代、それまでの歌謡曲の流れに飽き足らず、ひろく海外の楽曲を取材して日本の音楽界に新風を吹き込んだ「渋谷系」という潮流の中で、常にその代表であり続けた「渋谷系の王子様」小沢健二の代表曲。

ファンにとってはコールも入れやすいと思うし、何しろ別れを歌いながらも非常にホジティブな明るい曲調は、Berryz工房の『永久の歌』に響くものがある。




ロマンスを語って/永久(とわ)の歌 (初回生産限定盤B)(DVD付)/アップフロントワークス
¥1,728
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なので、『僕らが……』を歌わせておいて、『永久の歌』へ繋ぎ、コンサートを終えるという流れも作れると思う。

自分は、『永久の歌』を聞いたときに、真っ先に『僕らが……』のBerryz工房バージョンだと直感した。つんく♂さんの渋谷系憧れみたいなものがこの曲にあると感じている。




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妄想だけでこれだけのこと書いてしまう、自分も自分だけど、これだけ幅広い選曲をさせてしまうBerryz工房も、なかなか凄いグループだったんだと痛感してならいない。

それでいて、ちゃんと歌いこなせそうな感じもあり……。(笑)


歌うアイドルグループの国民的代表が、まったく歌を売り物にしていない昨今、こういうちゃんと歌えるグループが消えてしまったことは残念で仕方ないが、ファンはこういう妄想をしながらでも、またあの七人に歌ってほしい。

あのキラキラの笑顔は、ステージの上でこそ、輝いて見えると思うからである。