カルバートン・スミスの告白

カルバートン・スミスの告白

ふたつ、不埒な悪行三昧……。

Amebaでブログを始めよう!

モーニング娘。も25周年を迎え、自分もいよいよ而立の年齢が近づいてきたのかと思うと感慨もひとしおなのですが、この楽曲大賞も21回を数えて、公式ももはや無視できないすごい大会になりました。

 

去年はかなり適当にやった覚えがありますので、今年ばかりはちゃんとしたいと思います。

 

 

 

  楽曲部門

 

第五位

 

Night Light (feat. 道重さゆみ) / Night Tempo

 

 

 

韓国人DJのNightTempo。日本の昭和後期から平成時代前期の歌謡曲を大胆に編集して世界中のクラブのフロアを沸かせている異色の才能である。

 

 

 

↑フジロックフェスティバルにも出演。満員総立ちのフロアを躍らせた。

 

薄くエフェクトをかけている歌声が心にしみる。モーニング娘。のEDM時代のを支えた歌声を、NightTempo氏はよく見抜いたと思う。歌への感情を極力抜いて曲全体のグルーヴ感を大事にしている。

 

 

第四位

 

Juice=Juice『ノクチルカ』

 

※アルバム『terzo』より

 

 

もしも、三年前に『プラトニック・プラネット』が発売されていたら、間違いなく一位に押し出していたはずだが、三年も伏し漬けにしてこれまでの卒業メンバーの声も入れましたんで何とかご勘弁をと言われても『三年目の浮気』もびっくりの「♪馬鹿言ってんじゃないよ」だ。

 

アルバムは全体的に歌曲が多く今後Juice=Juiceのライブの中でも取り回しされるのであろうが、どれもこれも瀟洒で、良くも悪くもおさまりが良すぎる。

やはり五人時代のいなたさが乳酸発酵している楽曲をどうしても求めてしまうし、実際にJuice=Juiceのコンサートを観ても盛り上がっているのは五人時代の曲である。

 

そんななか、ちょっと懐かしの平成シンセサイザー歌謡の系統を大胆に持ってきてくれているのが松井寛。モーニング娘。『笑顔YESヌード』はいまだに平成時代にタワーレコードに通っていた青年=令和のオジサンには大人気だし、五人時代の東京女子流の楽曲の数々はアイドル戦国時代のあだ花であると言っていい。

 

 

 

 

『生まれたてのBabyLove』もおしゃれ感よりも他交換を優先させた作りだったし、『TOKYOグライダー』も人工的なキラキラ感の強いサウンドがJuice=Juiceの五人時代以降の過渡期を代表する楽曲になったと思っている。

 

 

 

 

そして、この『ノクチルカ』

松井寛が編曲として再びハロプロの曲を手掛けてくれたうれしさがあったし、より東京女子流時代のサウンドに寄っているあたりも挑戦だなと感じた。意外とすんなりメンバーが歌いこなしていて、Juice=Juiceの楽曲として落とし込んでいたのはさすが。

 

 

第三位

 

宮本佳林『優柔不断だね、Guilty』

 

※アルバム『ヒトリトイロ』より

 

 

Juice=Juiceのアルバムも、BEYOOOOONDSのアルバムも、佳曲は多いのだが、アルバムCDの特徴でもある「繰り返し聴けるか」に照らし合わせるなら、ちょっとだけカロリーが高すぎる。

カロリーが高いのはそれでもいいのだが、もう一度むさぼるほど聴きたいなるかというとそんな感じはしない。

モーニング娘。の『セカンドモーニング』『4th~いきまっしょい!~』など、名作と言われるアルバムのカロリー度数はすごいが、やはりこれらは出色で中毒性があり、気が付いたらすごい時間を削られていたという記憶がある。

そういう意味でいい具合の中毒性があり、聞き手をしばらくの時間旅行に引き込んでしまう宮本佳林の歌声は令和の至宝であることに間違いない。

 

 

 

第二位 

 

つばきファクトリー『アドレナリン・ダメ』

 

 

 

 


2.5 ブラスロックがクールに決まっている。岸本ゆめのの歌声があらためてグループの背骨となっていることは言うまでもないが、新メンバーの歌唱力(≒表現力)が新生つばきファクトリーの骨格となっていることを改めて確認させられた。

 

 

第一位

 

モーニング娘。'22『大・人生 Never Been Better!』

 

 

 

久しぶりのフィリーソウル。ホーンセッションの爽快さといつまでも聞いていたいグルーブ感はモーニング娘。でなければ引き出せず、彼女たちの声だからこそ味わえると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はいはい。2021年の「兜太俳句新人賞」の落選展をやりたいと思います。

個人的に、何かの賞を出すのは、自分が生きた証拠を残すことだと思っておりまして、別に賞そのものをいただきたいとかいうことではございません。
それでも俳句ですから、読んでいただいた方に少しでも面白いと思われるものをつづり続けなければならないという感慨だけは持とうと思っております。
 
よろしければ、感想なりとなんでもよろしいので、コメントいただけると幸いにございます。
 

タイトルは「青春の旗」です。

縦書きは画像で。そのあと、横書きに続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「青春の旗」  青島玄武

 

スカートは青春の旗雲の峰

東京の蚊を埼玉へ運びけり

夕立や大江戸線の駅出れば

足元に街の灯天に蛍の火

山も空も皆になるまで不如帰

蜘蛛の巣を潜り質屋に入りけり

ぞんざいな値札の裏の日向夏

手から手へ旅してゐたりさくらんぼ

木漏れ日に日照雨の続く大祓

梅雨明けの廊下を走る男子かな

ダイハツの軽トラックも暑気中り

側にいて遠きものなり生御魂

黙々と自転車を漕ぐ裸かな

桜島風の亡骸なりにけり

爽涼やパンを失敗したパン屋

「あぶないからはいらないで」とコスモスが

灯の消えぬ夜長の村の体育館

名月と小さき海を渡りけり

ボール持つ子供を抱く野菊かな

傘なくば走るしかなし稲の秋

水音の溢るるばかり吊舟草

林檎なら剝いてあるものしか食はぬ

だいたいの山がだいたい紅葉せり

女物の財布を拾ふ十三夜

戸車の鳴るたび秋が深くなる

行く秋や向かう岸まで切る鋏

歌ひとつ覚えて冬の備へとす

野良犬に落葉の城を案内(あない)され

髭剃つて水に流せり冬の蚊も

病院にヤンキーとゐる小春かな

冬の雨高架下なる画廊かな

初空と幼なじみの楠の巨樹

門松や山に埋もる小学校

ドアノブに注連縄掛けてゐたりけり

マフラーの上に安らぐイヤリング

浴室の中まで目刺焼く匂ひ

ひねくれて育ちし春の大根かな

ガソリンを入れて菠薐草もらふ

後ろ向く花なかりけり黄水仙

春の風邪引きし間に背の伸びてゐし

充電がまだ半分の朝寝かな

散る花はみな振り返り振り返り

チューリップ畑横切る選挙カー

鯊釣りに出る三台のスクーター

藤見せて是れ藤色と教へけり

遠足のまた塊に戻さるる

太陽へたんぽぽの道続きをり

鶯や指まで舐めて握り飯

温泉に入りて出られぬ遅日かな

卒業しすぐに海へと走りけり

 

       (了)

 

 

なお、角川俳句賞50句のほうも落選いたしておりますので、そちらは「週刊俳句」の『落選展』に投稿いたします。

 

ちなみに、去年の落選展に出品した「辛夷の花」50句はこちらから。

 

 

めちゃくちゃ久しぶりにブログを書いているわけですが、何かと言いますと、去年の現代俳句新人賞に落選したので、その「ひとり落選展」をしてみようと。

 

タイトルは「ピクニック」です。

 

縦書きは画像で。そのあと、横書きに続きます。

 

 

 

 

 

「ピクニック」  青島玄武

 

鯉幟その日その日の風とのみ

一本は絵に描くためのカーネーション

薔薇の園七つの罪を美しく

レクサスの横付けされし植田かな

蝋涙に蝋の重なる梅雨入かな

五月雨や大銀行に救急車

梅雨の街象形文字に戻りけり

雨音をゆつくり殺す誘蛾灯

サンダルで登校をする女子高生

炎風の芯を捉へしホームラン

午前四時シャワーの音に目が覚めて

おつさんをくたくたに煮る西日かな

夕焼けを粉々にする都会かな

夜の秋少し失敗した炒飯

明るきは雀荘ばかりきりぎりす

名月や茶漬けに沈む塩昆布

薩摩薯一度地獄を見たやうな

ハロウィンのその翌日の街の木々

行く秋やスーツで帰るお巫女さん

今朝もぬるりと布団より生まれけり

コーヒーは苦手と言へず冬館

とりあへず蜜柑の皮を剥いてをり

花柄のパジャマの待てる柚子湯かな

スナックも隣の塾もクリスマス

煤逃の駐車場代五百円

初晴やよその犬見て吠ゆる犬

猿廻しいちいち猿を抱き締むる

あきらめて股引き履きに戻りけり

三寒や油汚れの招き猫

全体の約三割をマフラーが

一十百千万億兆と雪

どか雪の今日のパンツを脱ぎにけり

看板の豚笑ひをりとんかつ屋

しんしんとバレンタインの売場かな

その口が鶯餅を食ふたはず

朝寝せぬことのつくづく悔やまるる

まかろんのちがひわからぬ春の風邪

マスクしてサングラスしてピクニック

行く末を囁き合へる紫英雲かな

たんぽぽがいつもの顔をしてをりぬ

コンビニとイオンのほかは春景色

山々の予鈴のたびに笑ひけり

古本の誰かのにほひ初桜

制服の違ふ二人や花の駅

花降るやなほ自転車のギア上げて

花吹雪月の汀に満ち満ちて

車椅子レースの人と青き踏む

今の子の昔の遊び藤の花

人消えて春も終りの滑り台

しやぼん玉風さへ知らず消えにけり

 

 

 

感想をいただけますと、小躍りして喜びます。(笑)