第21回 ハロプロ楽曲大賞2022 個人的選考を公開 | カルバートン・スミスの告白

カルバートン・スミスの告白

ふたつ、不埒な悪行三昧……。

モーニング娘。も25周年を迎え、自分もいよいよ而立の年齢が近づいてきたのかと思うと感慨もひとしおなのですが、この楽曲大賞も21回を数えて、公式ももはや無視できないすごい大会になりました。

 

去年はかなり適当にやった覚えがありますので、今年ばかりはちゃんとしたいと思います。

 

 

 

  楽曲部門

 

第五位

 

Night Light (feat. 道重さゆみ) / Night Tempo

 

 

 

韓国人DJのNightTempo。日本の昭和後期から平成時代前期の歌謡曲を大胆に編集して世界中のクラブのフロアを沸かせている異色の才能である。

 

 

 

↑フジロックフェスティバルにも出演。満員総立ちのフロアを躍らせた。

 

薄くエフェクトをかけている歌声が心にしみる。モーニング娘。のEDM時代のを支えた歌声を、NightTempo氏はよく見抜いたと思う。歌への感情を極力抜いて曲全体のグルーヴ感を大事にしている。

 

 

第四位

 

Juice=Juice『ノクチルカ』

 

※アルバム『terzo』より

 

 

もしも、三年前に『プラトニック・プラネット』が発売されていたら、間違いなく一位に押し出していたはずだが、三年も伏し漬けにしてこれまでの卒業メンバーの声も入れましたんで何とかご勘弁をと言われても『三年目の浮気』もびっくりの「♪馬鹿言ってんじゃないよ」だ。

 

アルバムは全体的に歌曲が多く今後Juice=Juiceのライブの中でも取り回しされるのであろうが、どれもこれも瀟洒で、良くも悪くもおさまりが良すぎる。

やはり五人時代のいなたさが乳酸発酵している楽曲をどうしても求めてしまうし、実際にJuice=Juiceのコンサートを観ても盛り上がっているのは五人時代の曲である。

 

そんななか、ちょっと懐かしの平成シンセサイザー歌謡の系統を大胆に持ってきてくれているのが松井寛。モーニング娘。『笑顔YESヌード』はいまだに平成時代にタワーレコードに通っていた青年=令和のオジサンには大人気だし、五人時代の東京女子流の楽曲の数々はアイドル戦国時代のあだ花であると言っていい。

 

 

 

 

『生まれたてのBabyLove』もおしゃれ感よりも他交換を優先させた作りだったし、『TOKYOグライダー』も人工的なキラキラ感の強いサウンドがJuice=Juiceの五人時代以降の過渡期を代表する楽曲になったと思っている。

 

 

 

 

そして、この『ノクチルカ』

松井寛が編曲として再びハロプロの曲を手掛けてくれたうれしさがあったし、より東京女子流時代のサウンドに寄っているあたりも挑戦だなと感じた。意外とすんなりメンバーが歌いこなしていて、Juice=Juiceの楽曲として落とし込んでいたのはさすが。

 

 

第三位

 

宮本佳林『優柔不断だね、Guilty』

 

※アルバム『ヒトリトイロ』より

 

 

Juice=Juiceのアルバムも、BEYOOOOONDSのアルバムも、佳曲は多いのだが、アルバムCDの特徴でもある「繰り返し聴けるか」に照らし合わせるなら、ちょっとだけカロリーが高すぎる。

カロリーが高いのはそれでもいいのだが、もう一度むさぼるほど聴きたいなるかというとそんな感じはしない。

モーニング娘。の『セカンドモーニング』『4th~いきまっしょい!~』など、名作と言われるアルバムのカロリー度数はすごいが、やはりこれらは出色で中毒性があり、気が付いたらすごい時間を削られていたという記憶がある。

そういう意味でいい具合の中毒性があり、聞き手をしばらくの時間旅行に引き込んでしまう宮本佳林の歌声は令和の至宝であることに間違いない。

 

 

 

第二位 

 

つばきファクトリー『アドレナリン・ダメ』

 

 

 

 


2.5 ブラスロックがクールに決まっている。岸本ゆめのの歌声があらためてグループの背骨となっていることは言うまでもないが、新メンバーの歌唱力(≒表現力)が新生つばきファクトリーの骨格となっていることを改めて確認させられた。

 

 

第一位

 

モーニング娘。'22『大・人生 Never Been Better!』

 

 

 

久しぶりのフィリーソウル。ホーンセッションの爽快さといつまでも聞いていたいグルーブ感はモーニング娘。でなければ引き出せず、彼女たちの声だからこそ味わえると思う。