石川征太郎指揮 グローバルフィルハーモニックオーケストラ第70回定期演奏会 | 上海鑑賞日記(主にクラシック)

上海鑑賞日記(主にクラシック)

上海生活の合間に聴いた音楽や見たスポーツなどの記録を残します。

日時:2024年02月11日(日)13:30~

会場:すみだトリフォニーホール

指揮:石川征太郎

演奏:グローバルフィルハーモニックオーケストラ

 

曲目

プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調 作品25 

ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 WAB105

 

感想:

 再び日曜のマチネのアマオケ鑑賞、というかブルックナーをやるというので訪れてきた。

会場はすみだトリフォニーホールで、新日本フィルのフランチャイズホール。

 

 初めて訪ねるオケなので、基本情報をチェックしたところ、月会費や演奏会費を徴収して練習経費や年2回ほどの定期演奏会を運営しているようなので、形式的にはアマチュアオーケストラに分類される。

しかし設立以降の演奏経緯を見る限り、故佐藤しのぶさんなどと共演していたことから、音大などで専門教育を受けているレベルの奏者が揃っていると推測され、プロとして活動していない(生業にしていない)だけで、技術基礎的にはプロに近い水準を持つオケなのではないかと推測された。

 メンバーの外見は、年齢層が比較的高めで40代50代が中心でちらほらアラサー奏者がいるのかどうかといったところで基本は創立時期メンバーが中心なのだろう。

 指揮者は石川征太郎氏で、芸大出身でまだ38歳と若く、今のところそれほど目立った経歴はないようだが、これから活躍の場を広げる世代ということであろうか?

 

 一曲目はプロコフィエフの古典交響曲

 曲が始まると、非常に水準が高いのをすぐ感じた。

 弦はそこまで完璧とは言えなかったが、ホールの音響効果も手伝って分厚い音に聴こえる。

 木管や金管もそこらのアマオケとは一線を画すレベルで、非常に安定している。

指揮者も大きなアクションで、ベテラン揃いのメンバーを引っ張り、リズム感も悪くなくスタンダードなところを抑えていて、違和感を覚えることは全くない。

プロと比べどうのこうのというのは適当ではないかもしれないが、かなり肉薄していると言ってよい。

 

後半はブル5。

ブルックナーの交響曲は良く版の違いが問題になるが、この5番は改訂があまりされていないためハース版とノヴァーク版は問題にならないほどの違いしかないとのことで、ほぼ同じとされ、今回の演奏プログラムにも特にどちらとも記載はなかった。

ややゆったり目だが、オーソドックスなテンポでスタートし、金管も豊かに鳴る。

メロディの上り下りも悪くなく、まあ金管の乱れが若干あったが気になるほどでもない。

弦セクションはやはり、そこまでのまとまりはない印象だが、ホールに助けられ違和感を覚えない範囲で鳴る。

木管も特筆するほどではないが、それぞれのパートがしっかりと絡んで丁寧に演奏されていたように思う。

第2楽章はオーボエなどのその木管がやはり高いレベルで鳴り、弦楽合奏もぐっと迫ってきて、丁寧なテンポで曲が進む。

楽器間バランスも悪くなく、金管が時々安定性を欠く以外はブルックナーの壮大な音楽がしっかりと展開する。

第3楽章はややティンパニが強すぎてドンシャリ感があった気もするが概ね流れは崩れず、

第4楽章は、再び整った演奏が戻り、比較的ゆったり目のメロディが展開する。

テンポは問題が無かったが、内部の楽器間のバランスはややきしんだ部分会座せたのではもあったような印象で、その楽器がどうということではないが、恐らく先ほどから書いている弦パートのまとまり不足がそのベースにあるのではないかという印象。

そのまま華々しいフィナーレを迎え、アマオケとして評価すれば上々の出来ということにはなるが、ベースに高いレベルを感じたオケだったので、もう少し高いところを目指せたのではないかという未練の残った演奏になった。

是非とも次回に期待したい。